【後編】「万引きでストレス発散」の妻。近年増える諸症状に悩まされる夫側の深刻な苦悩。

【前編のあらすじ】

何不自由ない、平穏な生活を送っていた理彩と夫の隆さん。しかし隣にマルチ商法にどっぷりハマったシングルマザーに感化された理彩は、近所のスーパーで「万引き」を繰り返してしまうようになる。万引きをする度にかかってくる電話。隆さんは限界をとうに迎えていたが……。

まずは理彩さんがなぜ「万引き」に手を染めるようになったのか、背景を見ていこう。

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理彩が初めて万引きをしたのは、高校2年の頃だった。

学校に通っていた理彩の家庭では、父も母も公務員という職業柄か、「大学に行くなら国公立のトップ校しかダメ」「センターで9割以上取らなければ、結婚か就職をしなさい」といったように教育に対しても非常に厳しく口出しをしていた。

彼女の両親の厳しい要求に対し、理彩は度々体調を崩しながらも、親の期待に添えるよう勉学に励んでいた。