今話題の“サ活”をご存知だろうか? サウナに行く活動やサウナを楽しむ活動の略で、昨今のサウナブームによって誕生した言葉だ。
大手広告代理店に勤める水島太一(42)もそんなサ活にのめり込んでいる1人だ。仕事柄、出張も多く、行く先々でサ活を楽しんでいるという。今回もFORZA STYLE「ライフ取材班」がお届けする。
「結構、古参かもしれませんね。10年くらい前、ロケで訪れたフィンランドでサウナにハマって、それから各地に通い詰めているんで」
太一はクリエイターという職業柄、プランニングにも関わることも多い。最近足繁く通う、銭湯も元は仕事先だった。
「古い銭湯の魅力を残しつつ、現代の要素を組み込むのが大きなテーマ。タイルや脱衣所のロッカーなど、昔懐かしい良さは残し、サウナやおしゃれなビアバー、軽く泊まれる宿泊施設などを併設することで、若い人も来やすいようにリノベーションしました」
そんな話題の銭湯を拠点にサ活に勤しんでいた太一であったが、今はもうひとつ別の目的があってそこに通っている。
「ビアバーで毎週会う子がいて。お互いサウナ後にビールを飲んで帰るんですけど、3、4回隣同士になるうちに顔見知りになって、話すようになりました」
女性の名前は高畑美奈(30)。某ファッションブランドのPRをしているという。
「とても話しやすい雰囲気で、一気に仲良くなりましたね。しかもサウナとビールの後、程よくリラックスしていて、それでいて色気があって……。聞けば、サウナでよくリモートワークしているそうです。いまはスマホさえあればどこでも仕事ができる時代ですからね」
カウンターの下、美奈はわざと触れ合うように手をぶらぶらとさせている。誰にも見えないところで何度も何度も手が触れ合う。
あざとく、盛大に仕掛けられたその罠に太一は自分からハマりにいった。握り合った2人の手はほの温かい。上目遣いで見上げる美奈を見て、その場で抱きしめなかったことを自分で褒めたいぐらい、太一は興奮していた。
「自分がまさか、こんな古典的な手に引っかかるとは思っても見ませんでした。もちろん、そのままホテルに行きました。最近は、美奈の家で会うことがほとんどかな」
太一には家庭がある。妻とは共働き、子どもたちはもう中学生と高校生だ。土曜日はそれぞれ外出しているので、太一も仕事がなければフリー。美奈と会うには、絶好のタイミングなのである。
「朝からサ活して、ビアバーで一杯。時間をずらして銭湯を出て、美奈の家に帰るのがお決まりのパターン。2人でランチを作ったり、Uberしたりして、まったりしながらイチャイチャしている時間はまさに極楽。もう、離れられませんよね、こんなの」
サ活のあとの美奈の肌は、弾けるような艶めきと温かさがある。
「サ活の新しい醍醐味、発見しちゃいました。公には言えないけど」
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は言う。
「リモートワークの普及で、人々は場所に縛られなくなりました。オフィスに縛られないことで自由な時間が生まれ、その時間を不倫につぎ込んで失敗するケースは増えています」
ニヤリと笑う太一だったが、蜜月はそう長くは続かないものだ。
☆甘い蜜から離れられなくなってしまった太一の背中に、冷や水を浴びせかける事態が出来する。反面教師として、次回を読み進めてほしい☆
ライター 中村准子