恋人や配偶者のいる人と恋愛関係になり、相手と別れさせて結婚する「略奪婚」。
他人の家庭を壊し、自分が幸せを手に入れる行為なだけに、“略奪婚=幸せになれない”と言われがちだ。しかし、実際はどうなのだろうか。今回は、「略奪婚」で愛する人との幸せをつかみ取った女性のお話をご紹介しよう。
上野希世子(仮名)35歳。二年半前にバツイチの男性と結婚、子供はまだいない。
「5歳年上の夫、隆(仮名)とは、お互いの行きつけの店で話すようになったのが始まりでした。実は私たち、出会ったときは既婚者同士……。この事実は気まずいので、周りには秘密にしていますが、私たちはダブル不倫の果てに結ばれたんです」
今からさかのぼること、4年前。
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「お互いに行きつけの店で顔見知りになって話すようになった私たち。最初はごく普通の友人でしたが、関係が変化したのは、彼が転職をしようと悩んでいたことがきっかけでした。『転職しようかと思っている』と当時の奥さんに告げた彼に、元妻は『大きな会社にいるのが一番安泰でいいじゃないの、何を考えているの?』と猛反発。それに対し、転職経験のある私は、どちらかといえば転職推進派だったため、彼に決断の後押しをしてあげたんです」
そんな希世子の後押しがあったからか?は定かではないが、結果的に隆は無事転職。当時、元上司からのパワハラに悩んでいたこともあり、「今度の職場は仕事のことだけを考えてやっていけるよ!」と喜んでいたそう。
「『きみの後押しのおかげだよ』と言われ、会う回数も増えていくうちに、彼に恋していました。でも、夫のいる私から好きになってしまったなんてことは言えず。その後も、しばらくは友人としての付き合いが続いたんです。会う回数は日を追うごとに増えていき、いつの間にか会社終わりにほぼ毎日、行きつけの店で待ち合わせし、食事するようになっていったんです」
当時、すでに夫婦関係は冷めきっていた隆と希世子。そんな二人が互いの気持ちに気づき、結ばれるのは時間の問題だった。
お互いの気持ちをなんとか抑えつつ、冷静を保ちながら過ごすという日々が続いていたある日。希世子の気持ちを一気に燃え上がらせるような出来事が起こったのだ。
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「その日も、一緒にお酒を飲みながら食事をしていたんです。金曜日の夜ということもあり、少し飲み過ぎてしまい、夫の愚痴を話し始めた私。その時彼が、『そんな夫は捨てて俺のところへおいでよ』と一言。この言葉で気持ちが一直線に隆へと向かっていったんです! もちろん、その言葉を放った彼も同じ。とうとう、その日はホテルで一夜を過ごして……」
その日を境に、二人の気持ちは燃え上がり、離婚から結婚へと一気に駆け抜けていく。
こんなにも情熱的に愛し合っていたはずなのに、数年後に「あんなこと」になるなんて……この時希世子は全く想像すらしなかった。
Text:女の事件簿調査チーム