いま、日本企業はさまざまな難問を抱えているが、その本質をきちんと把握している人は少ない。そこで、我が国におけるブラック企業問題の第一人者・新田龍が、ブラック企業、ハラスメント、労務トラブル、問題社員、コンプライアンス、リスクマネジメント、炎上トラブル…など、あらゆるビジネスリスクを分析し解説していく。
2013年、突如として全国でバイトテロが頻発した。全国ニュースとして報道されたものだけでも次のようなものがある。
6月:アイスケース寝そべり
高知県内の「ローソン」フランチャイズ店で、アルバイト店員がアイスケースに入り込んで寝そべった状態の写真をSNSに投稿し、「不衛生だ」と炎上。騒動を重くみたローソンは問題が発生した店舗のフランチャイズ契約を解除し、当面休業とする措置に踏み切った。
7月:顧客情報漏洩
神奈川県内の「ファミリーマート」で、アルバイト店員が防犯カメラに記録されていたJリーガー来店時の画像を「さっきバイト先に○○選手がご来店」「またのご来店お待ちしておりまーす!w」 との文言とともにSNSに投稿。掲示板で「顧客情報ダダ漏れ」などと強く批判を受け炎上し、ファミリーマート本部に抗議や問い合わせが殺到した。ファミリーマート側はお詫びの声明を発表。
8月:冷蔵庫侵入
東京都内のレストランチェーン「ブロンコビリー」で、アルバイト店員が冷蔵庫に入ってふざけた様子を別の店員が撮影し、SNSに投稿した。投稿は瞬く間に炎上し「不衛生だ!」との批判も殺到した。翌日に店は休業。ブロンコビリーは足立梅島店との契約を解除し、投稿からわずか1週間後、当該店舗は閉店した。会社側は、解雇した元アルバイト店員に対する損害賠償請求を検討していると報じられた。
8月:食器洗浄機・冷蔵庫侵入
東京都内の個人経営の蕎麦店「泰尚」において、アルバイト店員が業務用の食器洗浄機や冷蔵庫に寝そべった状態で入りながらはしゃぐ様子を撮影した写真をSNSに投稿。「衛生管理、スタッフ管理が甘い!」との非難が殺到した。当該店は3店舗まで展開していたが、この事件が原因となり営業停止に追い込まれ、再開することなく同年10月に破産してしまった。