「カードローンやリボ払いも立派な借金ですよね。しかし、それらを借金と思わず実際に沼にハマってしまう人が一定数いるんです……。気づいたら返済が追いつかなくて借金を借金で返すという自転車操業になり闇金に手を出してしまうなんていう事例も珍しくありません。キャッシュレス化が急速に進む現代だからこそ、金融リテラシーを高める必要があるんです」
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう語る。今回FORZA STYLEライフ取材班は、お金のリテラシーが低いが故に起こった大惨事を調査した。実際に当事者の女性へインタビューを実施し、その内容を詳細にレポートする。
埼玉県に住む半澤かなえ(45・仮名)は、家族に隠していることがある。それは借金だ。かなえにとって借金は独身時代からずっと身近にある存在だ。身の丈以上の出費をしてしまうクセが抜けないのである。
「稼ぎがないわけじゃないんです。年齢給はありますから、普通ですよね?」
決して貧困ではない。お金はなんとかすれば稼げる、そう思っているからこそ、この沼から抜け出せないのだ。
「数十万するブランドのバッグを買ったり、ジュエリーや時計に注ぎ込んだり…そんなことはありません。20,000円のニットとか、18,000円のフレンチのコースとか…それくらいの金額を普段の生活でなんとなく使ってしまうからかな?全然、借金が減りません」
かなえが言う借金とは、クレジットカードのリボ払いと銀行のカードローンだ。そもそもはこれを借金だとは思っていなかったらしい。
「数年前、夫に銀行のカードローンで50万円借りていることがバレまして…。そのときに言われて知ったんです。カードローンやリボ払いが借金だって」
金融リテラシーが低いとこんなことすら理解ができないのである。
「夫に借金がバレたとき、一旦は色々精算したんです。月に1万円貯める貯蓄と積み立て NISAなんかも始めたんですよ。でも半年くらいで挫折…。結局たまっていたお金もすぐに使ってしまいました」
そんなかなえは今、困っていることがあるという。