ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE NEWS

旅好きSNSの闇。カネも体も奪われた元CAの悲劇。

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

愛理(39歳)は、都内23区に住む結婚11年目の専業主婦だ。子どもはいないし、これからも作る予定はないが、一方でパイロットの夫との結婚生活では平穏な時間を過ごしていた。


©︎gettyimages

ところが、そんな平穏な生活が、新型コロナウイルスの猛威により一変することになる。夫のフライト乗務回数の激減により、給与も激減。それに伴い、二人で家にいる時間が増えたのだった。

これまで、一年の半分は家を空けることの多かった夫が、今はほぼ一日中何をするのでもなく、家にいる。そうなると必然的に、多少のいざこざが増えてくる。

夫は夫のプライドがあるのだろうが、愛理にも、結婚前までキャビンアテンダントで世界を飛び回っていた自負があった。そんな我の強い二人の関係は、コロナによる自粛の波をもろに受け、お互いがお互いに不満をぶつける形となって、夫婦仲は芳しくなかった。

夫が家にいない時間における愛理の趣味は、旅行だ。

愛車の「Mazda ロードスター」をかっ飛ばしての箱根ドライブが最近のお気に入りだが、時に学生時代の旧友と連絡を取り、1泊2日の小旅行も楽しんでいた。

ただそれもこのコロナ前の話だ。

忌まわしきコロナの脅威で、満足に海外旅行さえいけない状態が、もう3年も続いている。でも、最近になって少しずつ各国も門戸が開いてきたというのも見聞きしている……。

愛理は、もし「たか」から返事が来れば、一度会って話をしてみるもの悪くないと思っていた。

この退屈な日々から脱却したい。いや、何より、夫と二人で過ごす毎日から少しの間でも抜け出せるのなら、この上ない喜びだ。


©︎gettyimages

翌朝、愛理は起きてまずパソコンを起動し、メールの送受信をした。ほら、予想通りだ。「ご連絡ありがとうございます」という件名とともに、以下のようなメールを受信していた。

『同じくらいのご年齢の方からご連絡を頂けて、とても嬉しいです! 自営業なので日程は融通が利くのですが、場所はロンドンが第一候補です。愛理さんのおススメの国や街はありますか?』



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5