しかしB氏は復職初日から、取引先等の情報が掲載されている重要な名簿やID・パスワードを無断で持ち出そうとしたり、給料を「月額48万円にしろ」などと要求したりする始末。
また過去の仕事ぶりからとても営業は任せられないと、会社側から内勤の編集業務に就くよう求められると、B氏は強く不満を呈して業務拒否を貫き「営業をやらせろ」と要求するなど、まったく労働力として価値を発揮できる状況ではなかった。
B氏のあまりの傍若無人な態度に対して、経営陣は毎日のように説得を試みていたのだが、さすがに業を煮やして語気強く迫ったところ、一部始終を録音していたB氏がとくにセンセーショナルな部分だけを切り取って「パワハラを受けた!」とSNS上で声を上げ、S社に損害賠償を求めて提訴した。
それが複数のメディアで報道され、S社と経営者は「パワハラブラック企業」と強い批判を受けてしまったのだ。
結果的に裁判は和解で終了し、S社はユニオンに和解金を支払い、B氏は傷病手当をきっちり1年半分受け取ったあと退職していった。しかし、S社が立て替えて支払っているB氏の社会保険料170万円分はまだ未払いのままだという。
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