するとおじさんは、
「隣のやつも持ってってやってくれ」
一度階段を下りた読売新聞は再び上がってきて、ぼくの部屋の前の毎日新聞も持っていった。それ以来、読売新聞は二度とやってこなかった。
この一件以来、ぼくはこの街を好きになりはじめていた。また、人を先入観で見てはいけないと思うようになった。
間もなく、ぼくはある女性を近所のお店で発見し、朝から晩までその人のことを考えるようになった。次回はその話をしたいと思う。
作家.松井政就
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