「本当はすぐに結婚をしたい。でもしばらく結婚できそうになくて……。別れたほうがいいのかもしれないけれど別れられないんです」と会社員のあゆみ(仮名・31歳)は涙ながらに語った。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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少し童顔のあゆみは、10代の頃から国際結婚に漠然と憧れを抱いていた。しかし、実現することのないまま月日は過ぎ、周りの友人や同僚が結婚をして幸せそうなのを羨ましく思っていた。
そんなある日、SNSから流れてきた“国際系”マッチングアプリに新たな出会いを求めて登録をした。
登録するとすぐに、日本に住んでいる北欧系のアリ(仮名・36歳)からメッセージが届いた。
「あゆみさんかわいい。にほんごはなせます」
二言のひらがなだけのメッセージ。その辿々しい言葉は、あゆみの胸にほっこりと癒しをもたらした。そして不思議なことに「この人とメッセージしたい」と思った。
毎日メッセージを続けるあゆみとアリ。
「いまなにしてる?ごはんたべた?」
「あゆみは、どんなえいががすき?」
他愛もない話だが、アリが毎日連絡をくれるのが嬉しかった。お互い彼氏彼女がいないこともあり親しくなるのに時間はかからなかった。
数日経った頃「あゆみにあいたい。きょうあえる?」とアリからメッセージが入った。あゆみもそろそろアリに会いたいと思っていたので、二つ返事でOKをした。その日の夜、あゆみの自宅の最寄り駅で二人は落ち合った。
実際に会ったアリは写真よりも格好良く、笑顔が素敵で優しい雰囲気を纏っていた。食事をした後、イルミネーションを見に行き、アリの生まれた国のことや日本に来たきっかけなど色々な話をした。
すると突然アリからのキス。告白される前のキスに驚きながらも、デーティング期間(付き合う前のお試し期間)がある国も存在すると知っていたあゆみは何も聞かず受け入れた。
その日から二人はほぼ毎日会うようになる。アリは仕事が終わるとあゆみの家に来て愛し合い、朝になると仕事に行く日々を送っていた。毎日「愛してる」という愛情表現をするアリ。付き合って欲しいという告白はなかったが、愛情表現とアリの行動で付き合っているのだと認識し、あゆみは満足していた。
そして数ヵ月経った頃、アリから誘いがある。
「友達にあゆみを紹介したい。友人がレストランやっているから今から行こう」
自分のことを友人に紹介してくれるという誘いが嬉しく、あゆみはいつも以上に念入りにおしゃれをしてレストランへ向かった。
しかし、そこで思いがけない“真実”を知ることになる……。
Text:女の事件簿調査チーム