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CAR 交通事故鑑定人は見た!

優先道路なのに過失を求められた!あなたならどうする交通事故メカニズムを鑑定人が読み解く

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■左折してきたクルマの注意不足が事故の原因だった

結論はこうだ。本線上のクルマは、直線道路を直進している状態から減速をした。本線上のクルマが微速となったタイミングで、ほぼ並走する状態となった左折してきた車のバンパーが本線上の車にぶつかり、その後、本線上の車の左前ホイールに接触した。

本線上の車は減速を続けて停止するが、左折してきた車は、本線上の車の左前ホイールの支柱に衝突してから停止。この時点で双方の車両はいったん停止する。その後、左折車が左旋回をしながら後退、外輪差の効果で右前角部分が大きな円を描くように移動し、その際に、本線上車の左側面に接触しえぐり傷をつけた、というのが、中島が鑑定した事故の一連の流れだ。

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双方が接触して停車した状態から、左折してきたクルマは旋回しながら後退をしたことで、本線上のクルマのボディサイドにフォルランプ周辺を強く接触。双方の被害が拡大した

中島の鑑定結果がこうだ。
「本線上車は直線道路を直進していたので、まっすぐに制動することは合理的でした。対する左折車は、本線上車の進行道路に旋回しながら合流しようとしたが、制動中の本線上車に対し、ほぼ同じ速度・方向で接近し、接触しました。これは幅寄せに近い状況です。

また左折車は、停止直前の直進する本線上車の車線に進入しようとしました。本線上車の前方に入ろうとしているとしても、後方に入ろうとしているとしても、合流する側の車両としては理解できない挙動です。本線上車を、左折車が認識できていなかったとしか考えられません。

さらに、双方が接触して停車した状態から、左折車が旋回しながら後退をしたことで、双方の被害が拡大してしまいました。左折車の運転者は冷静だったとはとても言えません。よって、説明の信頼性にも疑問を持たざるをえません。この事故は、本線上車は合理的な危険回避を実行しており、事故発生の責任を問うことは困難と考えられます」。

交通事故を起こしてしまった場合、当事者は自己保身のため、無意識に自分に都合がいいように証言してしまうそう。ただし残された証拠は嘘をつかない。

Storyteller:Hiroshi Nakajima
Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:Raptor,gettyimages,AC
Edit:Takashi Ogiyama

中島博史氏の交通事故鑑定「ラプター」のHPはこちら



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