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■本線上の車のホイール傷から、双方車両の動きを推定

中島が初めにとりかかったのは、本線上の車と左折してきた車が、事故の直後にそれぞれ動いていたのか、止まっていたのかを判断することだったそう。着目したのは、事故によって本線上の車のホイールに付いた螺旋状の傷だ。

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本線上のクルマのホイールに付いた傷。螺旋が広がりながら大きく回転し、ホイールから脱出していることから、本線上のクルマのホイールの速度に比べて、接触物体がわずかに遅いことを特定した

中島によると、ホイール面に螺旋状の傷が形成されたときのポイントは、「形状は(軸の)進行速度に依存しない」、そして「渦巻き度合いが強い(傷の範囲が軸周りの角度で見て大きい)ならば、接触した物体との相対速度が小さい」。

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左折してきたクルマのバンパーのプレスラインが、本線上のクルマを追い抜くような位置関係で傷を生成した痕を発見。事故直後の本線上のクルマと左折してきたクルマの写真から、接触した物体は、左折してきたのクルマのフロントバンパーに付いていたフォグランプの凸部と判明

この2点だという。もしも接触した物体が停止していれば、わずかなホイールの回転で、螺旋が広がって、ホイールから脱出する。また、完全に等速であれば、ホイールの傷は同心円状に付着することになる。本件では、螺旋が広がりながら大きく回転し、ホイールから脱出していることから、本線上の車のホイールの速度に比べて、接触物体がわずかに遅いことを特定した。また事故直後の双方のクルマの写真から、この接触した物体は、左折してきたクルマのフロントバンパーに付いていたフォグランプの凸部と判明した。

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左折してきたクルマのフォグランプの破損が、前擦りと、後擦りの両方向についており、本線上のクルマのボディサイドの左側面にえぐれた傷があったことから、「本線上のクルマが停止しており、左折してきクルマが左旋回しつつ後退した」ことによって生成されたと推定

さらに、左折してきた車のバンパーのプレスラインが、本線上の車を追い抜くような位置関係で傷を生成しており、フォグランプの破損は、前擦りと、後擦りの両方向についていたことも発見。また、本線上の車の左ボディサイドにはえぐれた傷があり、ホイールにも螺旋状の傷とは別に、後ろから前に向かって擦れた痕もあった。これらの証拠から、2台は衝突した後、一度完全に停止をして、再びどちらかが動きだして傷が広がったものだと、中島は推定したのだった。



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