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LIFESTYLE ネット・SNS危機管理マニュアル

えっ? 未成年が「自分の性的な写真や動画」をSNSに公開すると「児童ポルノ」になるの!?

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

自分の裸でもアウト!変態紳士に伝えたい「児童ポルノ」の代償

先日、警察庁とSMAJ(SNSの業界団体)が、“ネット上で未成年を狙う連中” に向けて「アツいメッセージ」を送りつける、ちょっと変わったページを公開しました。

「その行為、アウトです。」

そもそも未成年に手を出すような連中です。「変態」か「犯罪者」か「変態の犯罪者」しかいないワケで、うっかり全員捕まってしまえば良いんですが、実際そのページには、彼らが捕まった際に与えられるはずの「ペナルティ」が、もうカタログみたいにミッチミチに記載されております。

例えば、保護者の許可なく未成年を街に連れ出せば、それだけで「条例違反で捕まることがありまっせ」(地域による)とか、自撮り画像の送信を強要すると「3年以下の懲役ざんす」みたいな内容が、まさに変態紳士のクビを真綿で締めるテンションで列挙されている、とてもコクのあるページなのです。

自分の裸でも「児童ポルノ製造」

実はその中に一つだけ、「これ絶対、未成年本人に見て欲しいんだろうな……」と思われる項目がありました。

『未成年者が自分の性的な写真・動画をSNSに公開したらどうなる? 』

いわゆる自分で撮影した「自撮り写真」(エロいやつ)を、DMなどに添付して送っちゃうケース。これについて多くの人が誤解しているのが、「自分の裸ならOKでしょ?」、つまり未成年が自分の裸を撮るのなら法に触れないという誤解、大いなる勘違いです。これ違うんですよ。

男女問わず未成年が自分を「自撮り」する行為や、それを送信する行為は、それをやった本人が児童ポルノの「製造」や「提供」の罪を犯したと認定される(※)可能性があります。自分の裸ならOK、にはならない。知ってました?

※とは言え、たいていその未成年は何かしらの「被害者」でもあるので、それなりに(というか相当)配慮されます。

それでも、送ってしまったら

よく「一度ネットに載せたものは二度と消せない」なんて言いますが、正確には「載せたものが転載・コピーされても、それらをすべて把握して削除するのは無理」という意味。つまり完全に消し終わったかどうか知るすべがない。だから消せないと言われるんです。

私は「誰かさんに送った『自撮り』がネットで拡散してしまった」という相談を受けることがあります。そんな時はまず

「『あの画像ってオマエ?』って聞かれたら『私じゃない』と答えて!」

と伝えています。「あんなの合成だよ」「ねつ造なの」と言い切ってOK。正直に答える必要なんてない。一度拡散したものは本当にどうにもならんし、それをニヤニヤしつこく聞いてくる人間なんて、そもそもアナタの人生に必要ない人。シッシッ!こっち見んな。そんな人は存在自体を無視するしかありません。

逆に「そうだよね」と、そっとしておいてくれる人こそが、アナタにとって大切な人。もしかしたら、この先もずっと付き合える友人かもしれない。しかも10代なら、数年でその顔つきも大きく変わります。周囲はそういった点も含めてフォローしてあげて欲しいです。

こんなこと、私みたいな第三者にしか言えないと思っています。だってもし私が被害者の父親だったら、すぐに斧を握って家を飛び出し、なまはげみたいに怒り狂うはず。でもお面を被って暴れたところで、拡散した画像は絶対に回収できません。だからこそ、起きてしまった事態を冷静に、客観的に分析して、それに向き合って生きていくしかないんです。

そして何よりも、自撮りなんて「送らないこと」。LINEみたいな個人間のやり取りでも、信用できる相手でも、もしその相手の端末が盗まれたり、データ流出したり、初期化せずフリマで売られたりしたら……それらのリスクはコントロールできません。

ネットにデータを送り出すということは「諦める」ということです。これはネットの本質。大人も知っておくべきでしょう。

 

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。



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