☆後編☆飲酒でコンビニに突入し、人身事故。マッチングしたのは酒乱モラハラ男だった。見抜けなかった女とアプリに潜む罠。

前編はこちら

ドンッ

鈍い音と衝撃があった。

フロントガラスの死角に、バイクがいたのだ。車のスピードはそこまで出ていなかったが、完全にこちらの不注意で起こった事故だった。理菜は血の気が引いたが、すぐに車を止めてバイクの運転手に駆け寄った。

バイクには50代くらいの女性が乗っていた。

イタタタタ……

理菜は血相を変えて「すみません！ すぐに警察と救急車を呼びます！」と駆け寄った。その時ようやく裕也が、おぼつかない足取りで女性の元にやってきた。事の重大さを理解していない裕也にイライラしながらも、女性の安否を確認する。

「救急車と警察呼んでたら時間かかるわよね……どうしようかしら。ちょっと行かないといけないところがあるから先にそっちに行きたいんだけど」 と女性が言った。