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LIFESTYLE 探偵は見た!

バツイチ不良社員と、清楚系社員がダブル不倫。ラブホ写真を撮られても開き直った、迷惑社員の末路。

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何事もない日常のすき間から、何かのきっかけで不意にドロドロと洩れ出す人の本音と欲望。それは平穏な生活に波風を立て、時に破壊することもある。

そこで人知れずそのすき間を塞ぎ、もとの平穏な生活を取り戻すのが、探偵・興信所のミッションの一つである。そこに属する探偵たちは、日々その”ドロドロ”とどう付き合っているのだろうか。日本の探偵事務所の老舗、児玉総合情報事務所(東京・中野区)の現役の探偵に、実際に手掛けたいくつかのケースをヒアリング、日常のすき間の一端を垣間見ようと試みた――。

©Getty Images

「浮気案件はほとんど私の頭の中に入ってるんですけど……」

一瞬目を閉じて回想し、児玉事務所のベテラン探偵、田中紀子氏(仮名)は目を開き、おもむろに話し始めた。

「こんな事例はどうでしょう?」とピックアップしてきたのは、あるフィットネスクラブ経営のオーナー会社に勤務する正社員どうしの不倫だった。

「調査の対象は40代半ばで店長クラスのバツイチの既婚男性。勤務態度に問題があるその男性の素行調査をオーナーから依頼され、調査しているうちに同僚で、こちらも既婚の30代後半の女性と『勤務時間中に不倫しているらしい』という噂が出てきたので、改めてその追跡調査をすることになりました」

田中さんと同僚の女性の探偵計2名は即日、昼前から派遣社員を装ってテナントビル2階のオフィスに”潜入”。

パソコンのキーを叩くフリをしながら監視を開始した。ビルの外には数人の探偵が張り込み、田中さんらからの連絡(無線、LINE、チャットなど)をもとに徒歩、バイク、車と対象がどの方法で移動しても尾行できる準備を整えていた。

尾行や張り込みは、ただ対象を眺めたりついていくだけでは、警戒している相手にはすぐにバレたり見失ってしまう。それゆえ、真っ当な探偵は対象の動きや各種の乗り物に対応した様々な体捌きやノウハウを持っている。

「自動車の教習所のように、まずその基礎をじっくり叩きこんでから、実際に路上で先輩の探偵を前に歩かせ、半年近くトレーニングを積むんです」

もちろん田中さんも他の探偵たちも、そのトレーニングをきっちり積み、実地でも鍛え上げてきた者ばかりだ。

「フレックス勤務で派遣社員の出入りも頻繁なので、周囲には怪しまれませんでした。監視を開始したときは男性はまだ見当たらず、自席で仕事をしている女性を目で追っていました。背丈は小さめで色白のロングヘア、山口紗弥加を地味にしたような可愛い感じ」

 女性が会議のため席を離れたり、昼食を買いに1階に降りたりするたびにさりげなく席を離れ、行動を確認した。

一方、なかなか現れなかった男性は、14時半を回ったあたりでようやくフロアに姿を現した。

「ぬぼーっと現れたのを見て、あんなに可愛い人がなぜこんな人と?とまず思いました。身長170㌢半ばでずんぐりむっくり、服装もだらしなくジーンズにシャツと革ジャン、茶色に染めた髪を昔のセンター分けみたいにしていて、モテるタイプでは全然なかった。似ている芸能人?見当たりませんでした」

 男性は自分の席にもつかず、フロアのあちこちをずっとうろうろ。そのうち16時を過ぎると、手ぶらのまま外出。田中さんから連絡を受けた尾行班の1人が、タクシーに乗った男性をバイクで追った。

「女性のほうは定時の17時過ぎ、数人の女性の同僚といっしょに退社。私たちも尾行班と合流しました。女性は最寄りの駅まで歩いて、1人になってから電車で30分程度かかった駅で降りて、すぐ近くの中華料理店に入ったんです。そこに男性が待っていました」

 探偵たちは証拠集めのため、要所、要所で撮影を行う。車の中からはビデオカメラを、徒歩の場合は小型のビデオカメラをポーチなどで隠して使う。スマホは小型で持ち運びに便利だが、「動画・画像の仕上がりがどうしても劣る」という。

2人は窓際に着席。尾行班は店の外に車を停め、その中からずっと監視を続けたという。
「男性は先に来て酒を飲んでいました。女性が来てからも酒を酌み交わしながら和気あいあい、楽しそうでしたね」

 店の外からだと様子が確認できない場合、軽く変装して客として店内に入り、近くの席に座って、軽めの料理を注文しながら監視するという。

「場合によっては会話を聞かなければならないし、必要なときはICレコーダーを使います。ただ、食器が触れ合う音など雑音が多いので、置く場所が難しい。なるべく近いところに置くよう色々と工夫します」
 
 20時半頃に2人で店を出て歩き始め、程なくしてガードレール脇の喫煙所にたどり着くと、そこで「いちゃいちゃし始めた」のをまた撮影。

2人がそこからタクシーに乗ったのが21時頃。

車で追跡すると、タクシーは15分ほど走って某駅近くのラブホテル街の入り口で停車。

タクシーを降りた2人は、通りを暫し歩いてからラブホテルを一つ選ぶと、その入り口に消えていった。

「あちこち歩いてその場でホテルを決めるカップルもいれば、最初から決め打ちで一直線に入るカップルも。『ポイントが貯まるから』と、別の女性を相手に毎回必ず同じホテルを使う男性も過去にいました」

数時間後、2人が出入り口を出てくるところも撮影。

どちらかの自宅を割り出す必要がある場合はそのまま継続して尾行するが、今回のケースは現場だけ押さえれば任務完了。

その日の仕事はここまでとなった。2人はその後、どうなったのか。

会社側からの【尋問】に対し、愛し合う2人は対照的な反応を見せることとなった。ひとりは非を認めたものの、もう一方は居直ったのだ。

そんなとき、どう辞職に追い込むかにもテクニックがあるという。

衝撃の次回では、探偵が見た不倫の末路を詳細にレポートする



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