とても“読後感”がいい番組。
『不夜城はなぜ回る』(TBS)
「怖くないの?」と聞かれて「興奮が勝ってました」と答えるのが、入社5年目にして深夜のレギュラー番組『不夜城はなぜ回る』(TBS)の企画・演出を務める大前プジョルジョ健太だ。彼は夜中明かりがついている建物=「不夜城」を突然訪ね、一体何をやっているのかを聞いて回るのが趣味。その一風変わった趣味をそのまま番組にしたのが、『不夜城はなぜ回る』だ。
その下世話のイメージが漂うタイトルとは裏腹に、毎回見るとほっこりしたり、思わず涙が出たりする、とても“読後感”がいい番組だ。MCの東野幸治を始め、ゲストの人たちも見終わった後「いい番組!」と口を揃える。それはプジョルジョの人柄がそのまま番組に出ているからだろう。
最初は深夜に突然やってきた若者に警戒していた取材対象者もいつのまにか、息子に接するように心を開いてくれる。そのプジョルジョ特有の愛らしさがそのまま番組のカラーになっている。

ちなみに別の回では、近くでロケをしたからか、実家に立ち寄るプジョルジョ。そこで父親から、自分の本名が実は「プジャルジョ」だという事実を今更知る。そんな抜けた感じもこの番組の愛らしさを物語っている。
今回、訪れたのは青森県大鰐町。道中、ピンク色に光る別の不夜城を気にしつつ、目的地に向かったものの、取材許可が出ず大ピンチ。翌日、改めて許可取りに向かうも「門外不出で一般公開していない」「衛生的問題がある」などと交渉は難航。建物は町所有のため、町役場からの許可も必要だった。
ようやく許可が出て、その夜に取材をさせてもらえることに。
その時間まで時間が空くということで、道中気になっていたピンクの不夜城にも寄るプジョルジョ。その光の色が妖艶なため「エロハウス」などと呼ばれることもあるという。
その正体とは一体なんなのか。そして、「門外不出」のものとはなんなのか。
さらには、この取材交渉が時間がかかったため、思わぬ問題が発生し、それが番組屈指のワクワクする展開を引き起こすのだ――。
『不夜城はなぜ回る』【青森の門外不出の不夜城】(TBS)12月5日(月)放送分を TVerで観る
後編へ つづく。