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LIFESTYLE 女たちの事件簿

乳がんで27歳で片胸を全摘。「命には代えられない、でも…」喪失感に苦しみ続ける女性を救い出したのは…

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

「がん」。自分には関係ないと言い切ることが難しい、身近な病気。日本では、一生のうちにおおよそ2人に1人が「がん」と診断されるといわれていることをご存知だろうか?

医療の進歩による治療の多様化によって、5年生存率も上昇。がんは治る時代になっている。ただ、治療課程において、やはり患者への身体的、精神的負担はまだまだ大きくある……。今回は「がん」を患った一人の女性のお話をご紹介しよう。

※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。

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「先日の検査の結果、右乳がんであることがわかりました」。


©︎gettyimages

由美さん(仮名)が医師から宣告を受けたのは27歳。ちょうど6年前のこと。1年前に娘を出産したばかりだった。

「目の前が真っ暗になりました。私の右乳房にがんが……。笑われるかもしれないけど、娘に授乳していたけど大丈夫だったのかな?ととっさに考えてしまいました。でも、そのあともっとショックなことが先生から発せられたんです……」

『大丈夫。全摘して、悪い部分を全部取りましょうね』

「大丈夫? え? 右の胸を取ってしまうのに大丈夫なの? と、少しパニックのような状態になりました。右胸を取るから大丈夫って……大丈夫じゃないよね? じゃあ、娘への授乳はどうするの? 胸を失うって、私、女じゃなくなってしまうの? 水着はもう着られないの? 頭の中をいろいろなことが駆け巡りました。おかしいかもしれませんが、生死の心配よりも、胸を摘出するということが私にとってはショックが大きかったんです」


©︎gettyimages

女性の身体的特徴を表す部位「乳房」。社会・文化の中で、あるときは母なるイメージ、あるときは女性性のイメージとして表現されているように、女性にとって「乳房」は、セクシャリティ的に重要な意味を持つ部位なのだ。

それゆえ、乳房の全切除や部分切除は治療だとしても、女性としてのアイデンティティを喪失し、自分の価値が低下したように感じてしまうという。

「すぐに帰宅し、夫に乳がんであったことを話し。右胸を全摘する必要があることを話しました。同時に、右の乳房を失うことに戸惑っていることも正直に伝えたんです。すると夫は『胸なんてどうでもいいだろう、命には代えられない』と……。そう、彼の言う通りなんです。命には代えられない……。そして、私は2週間後に手術することを決意したんです」

「命には代えられないけれど…」片胸を失ったことによる無力感や喪失感を由美さんはどのように乗り越えたのか? 後編に続きます。

 

Text:女の事件簿調査チーム



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