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身内がやらかした! 企業炎上の正しい「火消し法」って?

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過ぎたるは……

そこには当該ツイートの「投稿日時」から、「緊急対策本部を設置」したこと、さらには専門家を招いて「対策委員会」を立ち上げた時刻まで、もうみっちり。また謝罪する対象として、電車内で怒らせたお相手はもちろん、「電車を利用される皆様」や「起業家」、はては「起業家を目指す方」まで、もはや全人類を視野に入れたとしか思えない壮大な内容だったので、これを見た人の多くが「え、あのツイート、そこまで影響力ないのに……」とドン引きしたのでした。

この件、外野から見ても、社内の動きや意思決定が非常に迅速だったのは間違いなく、組織としては素晴らしい挙動でした。ですがそれを披露するべき場面は今じゃない。実際、この程度の炎上なら、例えば、

「私の感覚が相当ずれていたようです、すみません。社内の連中からも強く叱られました。ご指摘下さった皆さん、気づかせて下さった皆さん、ありがとうございます。怒らせてしまったあの方にも謝罪したいです。反省しています」

ご本人がツイッターでこんな投稿をすれば、もう十分だったでしょう。社長が叱られるなんて微笑ましい、内部統制もきいているなと、ちゃんと好印象で鎮火・着地できたはず。会社名義でのリリースや、広報チームを引っ張り出すまでもなかったと思います。

むしろあの重厚なリリースを見た人々に、「この動き、社内の誰も止められなかったのか」と、企業としての判断力を問われるリスクまで招いてしまいました。まるで焚火を消すのにニトログリセリンを放り込む勢い、周囲ドン引き、過ぎたるは及ばざるが如し、まさにそんな案件だったのです。

とは言いつつも……件の社長さん、炎上の最中におかしな反論をすることもなく、翌日には自身の役員報酬の一部返上まで決定。また今回のリリースを見ても、実は根はまじめで、思ったことをそのまま投稿しちゃう、とても真っすぐな方なのでは、と勝手に想像しています。こんな記事を書いておいてなんですが、本心で、今後は色々と上手くいくと良いな……と思いました。

 

Text:Ken Ogiso



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