出会ってから20年近い月日が経ち、男女として意識することは無くなった。子どもがいる家庭ではよくあることだろう。しかし由紀はとくに不満は感じておらず、平凡で一般的な、40代の夫婦関係だと思っていた。
たしかに学生時代の浩二はヤキモチ焼きだったけれど、まさか……。やっぱり、夫の質問の真意はわからなかった。
その日、真美は新しい下着を購入したが、由紀はなんとなく買うのを躊躇いそのまま店を出た。
©︎gettyimages
それからしばらくしたある夜。普段は一度寝たら朝まで目がさめることのない由紀が、めずらしく夜中に起きてしまった。夫は隣のベッドでいつもどおり寝ている様子だ。しかし、ふとスマホが光っていることに気付いた。
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