人が困っている時に助けること、助けられることはとても嬉しいことで、感情に深く刺さることでもある。でも、ときにはその行動が人生に大きな影響を及ぼすことになるとは、誰も思わないだろう。まして自分が変化してしまうとは……。
今回はストーカー被害を救ってもらったことから道を踏み外してしまう女性の話をしよう。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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瑠璃(仮名)は中規模の地方都市でメーカーに勤務している30歳のOLである。
ある日、学生時代の友人が集まるというので、瑠璃も参加することに。10人ほどの集まりの中には当時よく一緒に遊んだカナコ(仮名)がいた。現在はインテリアショップに勤務している。
大人になってもサラリとした長い髪に可愛らしいメイクのカナコは、どこかアイドルの斎藤飛鳥を思わせるルックスだった。
瑠璃とカナコは久しぶりの再会で話が盛り上がり恋愛の話に。しかし、ここからカナコの話は思わぬ方向に進んでいく。
「本当に久しぶりだね。元気だった? そういえば、以前付き合っていたコウスケ(仮名)とはどうなったの?」
カナコにはしばらく付き合っていたコウスケがいた。コウスケは爽やかイケメンのサッカー青年で、瑠璃はカナコのSNSを見て2人のことを知っていたのだ。
「コウスケとはもう別れたの。徐々に喧嘩が絶えなくなってね……。今は新しい彼がいるの」
「そうなんだ……。今の彼はどんな人なの?」
「10歳年上で私を救ってくれたとても優しい人。亮介さん(仮名)っていうんだけど……、実は奥さんと子どもがいるの」
数ヵ月前、カナコは社内で飯島という男のストーカー行為に悩まされていた。
誰にも相談することができず精神的にまいっていたときに、他部署から移動してきたのが亮介だった。
この亮介との出会いが、カナコを壊していく。
Text:女の事件簿調査チーム