ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
CAR Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

バブル前夜に生まれコロナ禍に運命を終えた日産シーマを5分で振り返る

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録
説明しよう! 妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

昭和・平成・令和をまたぐVIPな名車シーマの歴史

日産のフラッグシップセダンであったシーマ(CIMA)がついに終売。春先に日産が「2022年8月末までに生産を終了する」と予告していたとはいえ寂しい限りです。初代シーマ(FY31型)は1988年(昭和63年)にクラウンのワイドボディ化に対抗し、新規モデルとして3LのV6エンジン(同排気量でターボとNAを設定)を搭載しデビュー。当初は販売チャンネルの事情からセドリック・シーマ/グロリア・シーマの名で販売されます。

バブル期の超絶人気ぶりから“シーマ現象”などと語られることの多いシーマですが、その引き金は1989年(平成元年)に施行された自動車税の改正です。

なんせ毎年やってくる自動車税が8万1500円から5万1000円へと一気に引き下げられたのですから皆大喜び。差額の3万500円ってお父さんの1か月分のお小遣いレベル。でもね、浮いたお金を車両代につぎ込むんですから世の中イケイケでした。

1991年(平成3年)、シーマを作るベース車のセドリック/グロリアのモデルチェンジの関係で生産開始からわずか3年あまりでモデルチェンジを迎え2代目モデル(FY32型)が登場します。大枠のフォルムで見れば格下のセドリック/グロリアと似ていたためか、爆発的人気は続かず、話題は4LのV8エンジンを搭載し世界一の静粛性をもつトヨタ・セルシオの方へ。これに対しシーマも4.1LのV8エンジン搭載車を設定しました。 

一方、余談ながら売れまくった初代シーマは中古車市場で人気車に。この手の高級セダンの常ですが、若い少年たちから2度目、3度目の愛をうけ立派なDQN号に転生。VIPな気分が味わえる名車としてもう一つの伝説を残します。

1996年(平成8年)夏、3代目モデル(FY33型)へと移行し前出のV8エンジンは継続、3LのV6エンジンはターボのみを設定しパワーモードを継続。巻き返しを図ります。北米ではインフィニティ・チャンネルで販売する都合から、ドイツ・プレミアム御三家にも負けないクルマ作りが見受けられインテリアも欧州車ちっくに。

ワタシが社畜時代、じつはこの3代目シーマの報道試乗会に参加していたのですが、会場だったリゾートホテルのベーカリーの若い女性スタッフが「これ、新しいシーマですか? カッコいいですぅ~」と駆け寄ってきました。「よっかったら座ってみませんか?」というと、「いいんですか? うわ~凄い!」と大はしゃぎ。この瞬間“シーマの神通力健在なり!”を実感したのでした。



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5