家計のために禁断のバイトを。初心な主婦の「秘密のパート」

※この記事は取材を元に構成を作成していますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しています。あらかじめご了承ください。

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「パート先、メンズエステに決まった」

夕飯の席で、唐揚げを出しながらおもむろに千夏は告げた。

最近、アキラが勤めている広告会社は、業績悪化により従業員のボーナスカットを決めた。

©︎gettyimages

アキラは妻の千夏（仮名）の間で、家計のやりくりを話し合う時間が増えていた。

より家賃の低い地域への引っ越しも検討したが、引っ込み事案の息子、健一がやっと小学校に慣れてきて友人とも打ち解け仲良くやっているところだったのに、転校させるのは気が引けた。

「わたしがパートに出て働くわ。そうしたら少しは家計の足しになるでしょ」

穏やかに微笑みながら言った千夏の申し出に、内心アキラはほっとした。

「すまない、助かるよ」

しかし、しばらく千夏のパート先が決まらない日々が続いた。

スーパーやコンビニなどにすぐに決まるものだろうと思っていたが、近年のコロナ禍でどこも人件費を削減しており、週に数回短時間で働くような新しいスタッフを雇う余裕なんてないようだった。