上級モデルの安価グレードにはシアワセが詰まっているのだ
よく“戦略的価格設定”などと目にしますが、どのクルマも最安値のエントリーモデルは確かにお安い印象です。最近の人気車でカローラ・クロスを例に出せば、ガソリン2WDで199万9000だし、ハイブリッド2WDでも259万円から用意されます。
この2車で最上級グレードを選ぶと、ガソリン2WDが64万1000円アップの264万円、ハイブリッド2WDが40万アップの299万円です。つまり、あっという間に「どこがそんなに違うんじゃい」案件と発展してしまいます。また、ガソリンvsハイブリッドのエントリーモデルの価格差はほぼ60万円ですから驚きます。
なぜ高額な価格差が生じるのか? その要因の一つはライバル車との価格に対するインパクトだったり、標準装備の差だったりします。また、最近は主に安全支援装備メニューの内容も影響します。つまり、クルマ自体の基本骨格が同じでも、装備内容で価格差が生じてしまうのです。
しかし、裏を返せば「個人的に要らない装備」もあるのは確かな事実です。安全装備などじっくり検証すべき大切な装備ですが、新車に関しては昨年11月から『緊急自動ブレーキ』の装備が義務化され、標準装備が等しくアップグレードされています。
つまり「高いな~」という印象も上級モデルと比較するからアレヨアレヨと金額がかさむのであって、「立って半畳寝て一畳、天下とっても二合半」と思えば素敵なミニマルカーライフになるのでは? というのが今回の妄想劇。あくまでザックリですが、人気モデルを例に検証してみましょう。
話題のSUVであるFRパッケージのマツダCX-60。まだ正式発売日を迎えたわけではありませんが事前発注の滑り出しは好調だと聞きます。最安値はガソリンの2.5L直4エンジン搭載モデル『25S Sパッケージ』で、2WDが299万2000円、4WDが321万7500円という価格設定です。コレが最上級グレードの『25S エクスクルーシブモード』だと、2WDが384万4500円、4WDが407万円となり、その価格差は85万2500円もあります。
ちなみに、3.3L直6ディーゼルの『XD Sパッケージ』だと、2WDが358万500円、4WDが380万6000円。ガソリンとディーゼルの価格差は2WD比で58万8500円です。