【デニムセラーのトリセツ③】ジーンズの売上本数は年々右肩上がり

オーベルジュ定番の5ポケットは、きれいに色落ちするので、きれいにジーンズを穿きたい、シンプルに穿きたい、久しぶりに穿きたい人に最適。栗原さん曰く、「マイルドな感じ」。「オーベルジュ PHIL MENPU 5ポケットジーンズ」2万8600円
そういうエピソードもあって、デニムセラーは2017年の春にオープン。自由が丘という場所柄、来客の6割が女性で、そのうちの2~3割が旦那さんと一緒に来るそうで、それで、女性が入りやすい雰囲気の店にしていると言います。
「自由が丘に『カイランズ』というイタカジの王道を扱う名物オヤジがいたセレクトショップがありました。カイランズが閉店してしまって、自由が丘にメンズの良い店がなくなってしまい、どうせやるなら自由が丘の個人店としてあえて勝負してみようかなと思い、この場所が見つかりました」
オープンには、ボンクラ、KURO(クロ)、JELADO(ジェラード)、BIGJOHN(ビッグジョン)、Sanca(サンカ)などのブランドを揃え、さらに、栗原さんが大好きだったSLOWGUN(スローガン)の小林さんが始めたAUBERGE(オーベルジュ)もファーストコレクションから扱ったそうです。

40代のFORZA世代におすすめの1本として栗原さんがセレクトしたのは、ジェラードの王道。「みんな大好きなオールイエローのステッチの大戦モデル。太いけどきれいに穿けて、オールデンなどと相性の良い1本です」。「ジェラード Age of Longing S301XX 大戦モデル2021LIMITED」3万3000円
「5年間、店をやってみて、正直とても難しかったですね。オープン当初はお客さんのニーズに商品を合わせていたら全然売れなくて、自分の好きなジーンズと洋服を扱うように軌道修正していたら、コロナになって……。でも、コロナになって真面目に考えられて、SNSの発信にも力を入れられたので、結果として良かったです。ジーンズの売上本数も毎年上がっていて、お客さんの手応えは感じています」。
5年経った現在は、ボンクラとオーベルジュを中心に、ジェラードやFINDERS KEEPERS(ファインダーズキーパース)の別注アイテムなどが主力です。

ボンクラの別注ワークジャケットは、コットンポプリン生地。「夏に着ることを意識してクーラー対策も兼ねて薄手のシャツ生地で、ボンクラのスリーピングシャツをベースに別注しました」。「デニムセラー別注コットンポプリンフレンチワークジャケット」5万7200円
「日本のジーンズだけ扱おうと思ったのは、岡山のジーンズのクオリティが高いのと、一般的に知られていなくても、国産で良いジーンズがあることを伝えたかった。ジーンズは“説明商品”なので、ストーリーがないモノは販売しにくいというのもありますね」と栗原さん。