ちょっと消息スジに聞いてみます。
——(ピッピッピッ……トゥルルル)もしもし、ニャンコ先生ですか?
「どしたんですか? 直電なんて。もう飲みませんよ(笑)」
——ねえ、セダンってFRじゃん。何載せるの?
「いやいやいや。あの発表会時点でクロスオーバー以外はモックアップなんですから言えませんよ(笑)」
——でも、どう見ても後輪駆動じゃん!
「ファンの期待に応えたって妄想してください。ネタバレできませんよ」
——あの4台、全部クラウンですってスゴくね?
「社内的にも開いた口が閉じない人間もいましたね(笑)」
——でさ。まだ隠し玉あるよね?
「あっあっあっ。ちょっと待ってください。ウチのニャンコ先生が……」
——ロン毛でアッシュじゃないだろな!
「そうだったら電話出ませんよ!」
——まあ確かに。あ、今日はリモートね。猫飼いの人はちょい狭サイズの箱用意しとけばソコに収まってくれるから仕事はかどるよ。
「いつもヨメにべったりなんですけど、僕ひとりだとなぜか寄ってくるんですね。ゲンキンな奴だな。よしよし」
——ひとつ気になってるんだけどさ。FCVやるよね?
「へっ? そんなウワサ流れてます?」
——だってさ。MIRAIだけ作ってたら製造ラインの人だって飽きるでしょ?
「そんな理由なんですか!」
——ホンダがやらないんだから独占しちゃえよ。プラットフォームGA-L改なんだしできるっしょ。
「勘弁してください。ノーコメントで(笑)」
——ところでヨメどうした?
「なんか~、実家行きましたね」
——それって修羅場?
「いやいやいや。円満ですよ。お盆の準備ですよ。直ぐに帰ってきますクルマで30分ですから」
——いまどき3世代揃う家庭は貴重だよ。今日は泊ってきた方がいい。
「何言ってんですか。明日休みですけど」
——金曜にリモートなんて……。魂胆見えてきたな。
「水晶玉でもあるんですか?」
——よし、行くぞ!
「はぁ~?」
——返事は?
「わかりました。軽くですよね軽~く」
——ちが~う! そうじゃないでしょ。
「ハイ……」
——OK? モリゾウ
「サンキュー! モリゾウ」
プチッとな。
どうやら水面下でクラウン・セダンFCVを作っているらしい。あくまで妄想ですがね(売るかわからんけど)。
Text:Seiichi Norishige