後輪駆動のMIRAIベースでクラウンFCV爆誕!
シリーズ化された新型クラウン、皆さんはもう見慣れたでしょうか? そして魅力的に感じられますか? 先陣を切ってデビューするのはクラウン・クロスオーバー。現在は価格も発表され本来のスケジュールなら事前商談時期なのですが、どうやらbZ4X&ソルテラのハブまわりのリコールに巻き込まれたのか、メーカー側は部品(おそらく共通との見方)の再設計にあたっているといいます。
このクラスのBEVとなればバッテリーも大容量で車重もかさみ、またBEV特有の大トルクが瞬時に立ち上がる特性も相まって、足回りにかかる負担はエンジン車の比ではないはず。どうやらその対応はハブ周りの部品強度を上げればいいというレベルではなく、かなりの部分、再設計を余儀なくされる……というハナシらしい。部品を一から作るとなれば上へ下への大騒ぎです。
流石のトヨタといえども、クラウン・クロスオーバーの発売は9月以降に持ち越されるだろう、というのが現在地。クオリティは間違いなく高くなるので購入を検討中の方はじっくり待っていてくださいね。この対策に目途が立てば事前商談がスタートするはず。
さて、今一度クラウンシリーズを検証してみましょう。クラウン各モデルは全4車で構成されています。デザインからもその違いは顕著であり、まるで4車種をクラウンの名のもとに統合したようなラインナップが特徴です。
結論からサクッといきましょう。この4車種をTNGAのプラットフォームであらわせば、クロスオーバーとエステートがGA-K採用の兄弟車。スポーツはBEVなのでサイズ感からもbZ4Xと同じe-TNGAを採用。おそらくレクサスRZも同様かと推察します。残るのはセダンですが、これがFR確定案件であり、先代クラウンやレクサスLS同様にGA-L採用車であることがわかってきました。
クラウン・セダンがFRベースである理由ですが、サイドビューを眺めると、このセダンだけプレミアムレングス(前輪中央から前ドア先端までの距離)が長いことがわかります。フロントガラスが立ち上がるポイントも前出の3車が前輪後端直後であり、比較してセダンは、前輪後端を過ぎてからフロントガラスが立ち上がります。この部分は他社モデルですが、CX-5とCX-60のサイドビューを比較したほうがわかりやすいでしょうか。
FFベースのクルマはエンジンを横方向に搭載するので前後スペースはコンパクトになりますが、FRベースのクルマはエンジンを縦方向に搭載しますので、どうしてもフロントセクションが長く伸びてしまいます。このプレミアムレングスを逆手に取った好例があのエンツォ・フェラーリがそのエレガントさに唸ったというジャガーEタイプとなります。
次に現時点で未公表ながらパワーユニットを考察してみます。先代にあたる15代目クラウンはそのデビューが2018年6月28日であったことを考えると、従来のモデルサイクルを全うしておらず、縦置きエンジンとそのハイブリッドシステムはまだまだ生産できるハズ。
2.5L直4ハイブリッドのA25A-FXS型エンジンは横置きFFベースでも採用される主力エンジンなので十分に生産可能と判断。いわゆるドル箱というかボリュームゾーンなので代打不在の譲れないパワーユニットとなります。3.5LのV6ハイブリッドは上級グレード用ですが、V6熱望派とパトカー需要で継続(希望的に)。悩ましいのは想定外に売れなかった純エンジン車の2.0L直4ターボであり、コレを最新版の2.4L直4ターボに変更&搭載する判断ができるかどうか。