人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
あまりに良すぎて、この後 何着か追加でオーダーしたほど
生産の現場を見つめ続けるとともに、自身で幾度となくイタリアを訪れて飛び込みで開拓。たくさんの身銭を切ってサルトで仕立て、知見を広げてきたファッションディレクターの諸澤 泉さん。
知識と経験に基づき、たくさんの服を手に入れてきた諸澤さんが、中でも思い入れが強くて捨てられなかったアイテムをご紹介する企画の第10回目は、サルトリア・ピロッツィ(Sartoria Pirozzi)のコートです。
「第1回目で紹介したナポリの最高峰サルト、サルトリア・ピロッツィ。スーツを仕立てた翌年2013年に作って頂いたコートです。
ロロ・ピアーナのカシミアで仕立てています。スーツ同様初めてオーダーするときは必ず、無地ではなくヘリボーン地かストライプを選ぶので、このコートもヘリボーンです。
スーツで、生地の柄合わせなど作りの正確さは理解していましたが、コートでも確かめたかったんですね。
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