安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。
往年のクルマファンならば一度は憧れたであろう、「リトラクタブル・ヘッドライト(日本語では格納式前照灯)」。筆者も子供の頃、普段は収納されているライトが、「スッ」と現れるギミックに憧れたものでした。いまではその姿を見かけることは少なくなりましたが、たまに街中で見かけると、つい目で追いかけてしまいます。そんなリトラクタブル・ヘッドライトの歴史を振り返りつつ、いくつかの名車をご紹介しましょう。
■スポーツカーデザインの自由度を高めるために生み出された
世界で初めてリトラクタブル・ヘッドライトが世に出たのは、1936年にアメリカで少量生産された高級車「コード810」というモデル。ダッシュボード上にある専用ハンドルを回すと、流線型のフェンダーにあるライトが回転して現れるという仕組みでした。

日本車で初めてリトラクタブル・ヘッドライトを採用したのは、1967年発売のトヨタ2000GT。固定式のフォグライトと小型のリトラクタブル・ヘッドライトという組み合わせが、斬新なスタイリングを形成していました。

リトラクタブル・ヘッドライトはもともと、空力性能を追求するために全高を低くデザインするスポーツカーが、必要な時だけ、法規制を満たす高い位置に露出するために考えられました。
そんなリトラクタブル・ヘッドライトの名車といえば、1974年に登場した、ランボルギーニ「カウンタック」でしょう。その低く構えたデザインとリトラクタブル・ヘッドライト、そしてシザーズドアのギミックで、多くのファンを魅了しました。ほかにも、リトラクタブル・ヘッドライトの名車はたくさんあります。
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