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ミュージシャンとしてデビューした後、陶芸の道へ! 気になる野口寛斉とは?

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解散後に海外へ行き、そこから陶芸の道に

ひさこ先生:その後、海外に行かれるんですよね?

野口寛斉:一度勉強し直すという理由でニューヨークに数ヶ月行って、諦めて帰国しました。なんとなくですが、ケリをつける、音楽を諦めるために行ったのかもしれません。

FORZA:そのときは音楽を辞めた後のことって、何か考えていたんですか?

野口寛斉:何か起こればイイなくらいの感覚でした。ニューヨークにいた友人が美術をやっていて、彼に美術館など、いろいろな場所に連れて行って貰って、初めて美術というものに本格的に触れているうちにどんどん興味が湧いてきました。

ただ、このタイミングから”絵を描く”とか言えないなって躊躇して、結婚もしてるので家族には迷惑はかけられない。でも、興味はあったから陶芸教室にだけは通ってみたんです。聖蹟桜ヶ丘の教室に通ったんですが、なぜかそこでイケるって思ってしまったんですね。

ひさこ先生:音楽での道筋をうかがってるからイケるという自信も納得できます。ちなみに、実家が九州で身近に唐津があったと思いますが、それまでに陶芸というものを意識したことはあるんですか?

野口寛斉:まったくないです。実家は寿司屋なんですが、家にたくさん唐津焼とか伊万里とか有田焼がたくさんあったくらい。それと、職人という意味では関連しているのかもしれませんし、姉は書道の先生をしていたので、そういう空間の心地良さは肌で感じてたのかもしれません。

FORZA:基礎の基礎からスタートして、生業にできる自信が生まれてから、どんな行動を?

野口寛斉:アメリカに行くきっかけにもなった、お世話になった方に”陶芸家になりたい”と相談したんですが、"可能性としては1%しかない"と言われたんです。"ただ本気でなりたいなら"と彫刻家を紹介してくれ、アシスタントをすることになりました。

その工場に通いながら、休みの日に陶芸教室に通う日々が3年くらい続いて、その後アート系の有名な先生について、いろいろ学んで陶芸家として活動し始めました。

ひさこ先生:陶芸家として世に知らしめるために、どんな活動をしたんですか?

野口寛斉:陶芸家を目指し始めたとき、本格的に技術を身につけるには10年くらいの時間が必要だと思ったし、もし始められたら制作に時間を取られてPRする時間は作れなくなるだろうから、学ぶのと同時にホームページなど自身を知って貰うためのものも準備し始めておきました。

FORZA:陶芸家としてデビューしたときには、自身のオンラインストアが既に作ってあったということですか?

野口寛斉:ありました。それと並行して、3〜4年目には知り合いや友人中心ではありましたが買って頂く機会も増え、そこから友人がアパレルの方などを紹介してくれて広がっていきました。

FORZA:それでも、すぐに食べられるまでには至らないですよね?

野口寛斉:ならないです。今年で8年目になるんですが、2年前までは建築の会社で別の仕事もしていました。彫刻家のアシスタントをしているとき、鉄の大きなものも取り扱うには恐らく重機が扱えた方がいいのでと勤め始めて、2〜3年は陶芸と両輪で活動していました。

ひさこ先生:というと、2年前に陶芸一本で食べられる道筋が見えてきたわけですか?

野口寛斉:見えてきましたね。教室に通い始めて5〜6年くらい。

FORZA:想定していた約半分で結果が出た?

野口寛斉:時代の流れもあったとは思います。早かったから、今怖いってのもありますが…。

 

後編へつづく

野口寛斉
ミュージシャンとしてデビューを果たし、2013年に音楽を学ぶため渡米。翌年 ISAMU NOGUCHIの作品に影響を受け芸術家を目指し帰国。彫刻家のアシスタントとして造形を学びながら、陶芸工房にて作陶を始める。2016年に東京都多摩市にアトリエ「KANSAI NOGUCHI STUDIO」を構え、2019年に自身初の個展を開催。その後、八王子市に自宅兼アトリエを移し、都内各所で個展・展示会を行う

https://www.kansainoguchistudio.comhttps://www.instagram.com/kansainoguchi

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行方ひさこ
ブランディングディレクター

アパレル会社経営、デザイナーなどの経験を活かし、ストーリーやデザインなどの一貫したコンセプトワークを行うことでトータルでブランドの向かうべき方向を示す。食や工芸、地域創生などローカルに通じる幅広い分野で活動中。
https://hisakonamekata.com
https://www.instagram.com/hisakonamekata

Photo:Shimpei Suzuki
Direction:Hisako Namekata
Edit:Ryutaro Yanaka



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