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LIFESTYLE 夫婦関係修復レッスン

A.「牛乳買ってきて」という言い方をほんの少し変えてみましょう。それだけで、相手の態度は変わります。(五百田さん)

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愛し合って結婚したはずなのに、いつからかギスギスしはじめた夫婦仲。その原因はひとつではなく、ほんの些細なことの積み重ねだったりする……。「大丈夫、ちょっとした心がけ、話し方で夫婦の関係は改善していきます」作家・心理カウンセラーとして活躍する五百田達成氏が、サラリーマンとしての実体験と豊富なカウンセリング実績を活かし、夫婦間コミュニケーションに関する実践的アドバイスを伝授する。

「牛乳買ってきて」「醤油取って」

多くの人が、夫や妻になんの気になしに言ってしまっているはず。でも常識ある大人同士の会話なら、次のように言うのが正解です。

「牛乳買ってきてくれる?」「醤油取ってくれる?」
 

前編はこちら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

言っている側はそんなつもりはないかもしれませんが、「買ってきて」も「取って」も、 文法的には立派な命令形。「買ってこい!」「取れ!」と同じ仲間なわけです。

コミュニケーションをまろやかにしたいとき、よい働きをしてくれるのが疑問形です。

夫婦間で何かを頼むときは、命令形は避けて疑問形にしてみましょう。 常日頃から相手が何かをしてくれることを「当たり前」と思っていると、この疑問形はすんなりとは出てこないでしょう。夫婦によっては役割分担がきちんとされていて、妻か夫のどちらかがやると決まっているかもしれません。 だとしても夫婦間で「相手がやってくれて当たり前のこと」なんて一つもないのです。むしろ相手が何かをしてくれたら「やってもらっちゃってすまないねえ」と罪悪感を抱く、「借り」を感じるくらいがちょうどいいのです。

 

「してくれた」と言う。「してあげた」と思わない

そうやって相手の提供するサービスを当然と思わなければ、たとえば「このシャツ、 洗った?」は「このシャツ、洗ってくれた?」と言えるようにもなるでしょう。「くれた」 というたった3文字を足すだけで、そこに相手への感謝の気持ちが付け加わるのです。

ちなみに、もう少し上級の疑問形テクニックもあります。

たとえば、相手にそろそろお風呂に入ってもらいたいのに、スマホやテレビに夢中になっていてその気配がまるでないとき。 「早くお風呂に入ってよ!」ではなく、「お風呂に入っちゃってくれる?」のほうがベターです。


さらに一層まろやかな言い方が「お風呂、入る?」 「あなたはお風呂に入るの?」と主語を相手にすることで、言われたほうは「文句を言われた」という気持ちが減ります。「そうかそうか、ついスマホに夢中になってしまったけれど、そろそろお風呂に入るべき時間だ」と自分で気づき、いそいそと準備を始めるかもしれません。
 

ただし、これはかなり相手の察する力に頼ったコミュニケーション。そもそも「お風呂ぐらい自分からさっさと入ってよ」と思う気持ちもわかりますので、ご参考まで。


さて、相手がしてくれたことを「当然と思わない」のが重要である反面、自分が何かし たときに「してあげた」と思うのはNG。「俺が皿を洗ってあげた」「私が料理を作ってあげた」などと恩着せがましく思うと、「これだけしてあげたのに、なんであなたは何もしないの?」という気持ちが芽生えてしまいます。


簡単ではないことは百も承知ですが、夫婦間では何かにつけて「してくれた」と言い、「してあげた」とは言わないことが大事。依存・甘えはそういうところからスタートするのです。

本日のまとめ

疑問形を使うとまろやかになる

Text:Tatsunari Iota

ドクト

「読むだけで夫婦仲が改善できる」必読書はこちら

『不機嫌な妻 無関心な夫 うまくいっている夫婦の話し方』/五百田達成

「夫婦には会話が必要」「ケンカするほど仲がいい」とはよく言われます。
でも、なかなかうまくいかない。
面倒だったり、ギスギスしたり、イラっときたり、相手の機嫌を伺うばかりで肝心なことが言えなかったり、つい嫌味を言ってしまって後悔したりする。そんなこと、ありませんか?

結局のところ、夫婦がうまくいくとは、夫婦のコミュニケーションがうまくいくということ。そして、コミュニケーションさえうまくいけば、二人の関係はうまくいきます。

五百田達成(いおた たつなり)
作家・心理カウンセラー。 米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。
東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。 専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。サラリーマンとしての実体験と豊富なカウンセリング実績に裏打ちされた、人間関係、コミュニケーションにまつわるアドバイスが好評。
「あさイチ」(NHK)、「スッキリ」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。 著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』『超雑談力』『不機嫌な妻 無関心な夫』『部下 後輩 年下との話し方』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ100万部を超えている。オンラインサロン「おとなの寺子屋〜文章教室〜」も好評。



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