それだけならまだいい、肉体関係を持った後に、関係が崩れてしまうことだってあるだろう。何よりそれは、双方にとってリスキーだ。夏実はそう強く思っていた。
セックスレスとはいえ、私は夫や家族が大事だから、面倒にはしたくない。
その中で最大限できるエア不倫を楽しむことで、セックスレスの現実にも、2人目の子供ができない未来にも絶望せずに、平常心をなんとか保てている。
今日も朝から、いつものように心の恋人であるマサトから「おはよ、もう起きた?」とSNS内のダイレクトメッセージが届く。
念の為、夫や子供に見られてもいいように通知は切ってある。SNSを開いた時にしか確認できない、私の小さなエア不倫。
これはほんの戯れ。大丈夫、私のコレは「不倫」ではない。夏実はそう自分に言い聞かせながら、返信をどうしようかと考えるのだった。
Text:女の事件簿調査チーム
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