人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
今このレベルのシャツを作るのは困難でしょうし、作れても幾らになるのか…
生産の現場を見つめ続けるとともに、自身で幾度となくイタリアを訪れて飛び込みで開拓。たくさんの身銭を切ってサルトで仕立て、知見を広げてきたファッションディレクターの諸澤 泉さん。
知識と経験に基づき、たくさんの服を手に入れてきた諸澤さんが、中でも思い入れが強くて捨てられなかったアイテムをご紹介する企画の第6回目は、コルベッラ(CORBELLA)のブザムシャツです。
「このコルベッラというのは、かつてミラノのダンテ通り(VIA DANTE)にあった名店で、じつは僕も行ったことはないんです…。その存在を知ったときには、すでに閉店していました。
このシャツは そこのオリジナルだったんですが、存在を教えてくれたのはイタリア ファッション界をリードする老舗セレクトショップ、Eral 55のエルマンノ氏です。
じつは彼、コルベッラが閉店する際に残っていた服やインテリアを買い占めて、アーカイブしていたようです。
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