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Be-1、パオ、フィガロ、ラシーンほか、日産パイクカーを振り返る。いまいくらで買える?

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・フィガロ

1991年に登場したフィガロは、3ドアハッチバックだったBe-1とパオとは対称的に、2+2クーペとして登場。1935年のダットサンロードスターや30年代のアールデコファッションからインスピレーションを受けたということで、「ぽこっ」と出っ張った小さなキャビンがトレードマーク。ルーフは中央部がキャンバス製で出来ており、後部へ手動で格納するとオープンカーとなる、凝ったつくりとなっていました。

人気テレビドラマ「相棒」の主人公の愛車にフィガロが採用され、主人公の名前から「右京カー」としても話題となった、フィガロ。大手模型メーカーからは「右京カー」のミニカーも登場

インテリアも、フィガロ専用設計のスイッチや本革シート、スイッチやメーター回りのメッキパーツを、アイボリーの内装がうまくまとめており、優雅でクラシカル。フィガロでは、販売台数を限定2万台とし、3度に分けて抽選する、という販売方法が採られました。冒頭でも触れたように、現在フィガロは海外でも大人気となっており、日本と同じ左側通行の国イギリスでは、特に高い支持を集めているようです。

フィガロは、AAにおいて、2021年12月~6月の間で37台が流通しています。平均価格は128万円、平均走行距離は約10万kmです。最高額は、走行距離1万kmのグレーのボディカラーの個体で落札金額は327万円。走行距離6万kmの個体でも200万円を超えており、パイクカーの中でもダントツで1位の高相場となっています。

 

・ラシーン

ラシーンは、1994年12月に登場。進路を測る「羅針盤」に由来する車名をもつラシーンは、こう見えて、サスペンションは四輪独立懸架、かつ4WDのみ、というタフな設定で、クロカンほどの走破性はないものの、雪道など、道路事情を考えることなくスイスイ走ることができ、「道具」としての機能は、素晴らしく高かったモデルです。

無駄のないあっさりとしたデザインのボディに、当時、サニーやパルサーで使用していた部品を多く活用。当時のクルマといえば、車高が低いことがカッコいいとされるセダンや、とにかくデカくてごついクロカンが人気の中心であったなかで、ちょっとだけ車高が高くて、タイヤもちょっとだけ大きい、前後のオーバーハングが短いラシーンは、かなり斬新であり、この新しい価値観に共感する人たちからは、当時も熱烈に支持されていました。

こう見えて4WDかつ4独サスという、意外と凝ったメカニズムのラシーン。昨今のSUV風味のクルマよりも本格的だった

しかし、まだバブルの余韻が残っていた当時には、このようなコンセプトで登場したラシーンのよさは一部にしか伝わらず、残念ながら6年で生産終了となってしまいました。

ラシーンは、AAにおいて、2021年12月~6月の間で137台が流通。平均価格は42万円、平均走行距離は約13万kmです。最高額は、走行距離2万7000kmのライトブルーの個体で落札金額は201万円。ちなみに、アニメに登場したラシーンボディカラーと同じライトブルーだと、落札金額が高くなるという傾向があります。

 

■まとめ

30年を超えるような旧車を保有し、乗ることができるように維持をするのは非常に大変です。状態の良いクルマは今後ますます減っていき、これらの実車を見ることができるのは自動車博物館だけ、といったことになっていくことでしょう。最近では、ガチャガチャでこれらのパイクカーシリーズが登場しており、筆者も見かけると思わず買ってしまいます。日産のパイクカーシリーズ、そしてラシーンの人気は、今後もしばらくは続きそうです。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:NISSAN
Edit:Takashi Ogiyama



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