人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
よく見るとイタリアっぽい雰囲気で、今でもよく袖を通してます
生産の現場を見つめ続けるとともに、自身で幾度となくイタリアを訪れて飛び込みで開拓。たくさんの身銭を切ってサルトで仕立て、知見を広げてきたファッションディレクターの諸澤 泉さん。
知識と経験に基づき、たくさんの服を手に入れてきた諸澤さんが、中でも思い入れが強くて捨てられなかったアイテムをご紹介する企画の第3回目は、フレッドペリー(FRED PERRY)Vネックのテニスセーターです。
「フレッドペリーといえば、イギリスにおいて"テニスの神様"と評されたフレデリック・ジョン・ペリー(Frederick John Perry)さんが、1952年にロンドンで設立したブランド。
月桂樹のロゴが有名で、テニスウェアとしてだけではなく、1960年代にはモッズたちも好んで着ていました。
何度か流行ったりして、音楽っぽい雰囲気のアイテムも多く見られたんですが、僕はやっぱりテニスの匂いがするアイテムがイイなぁと思って、このケーブル編みのチルデンタイプをイタリアで購入しました。
たしかミラノかボローニャのセレクトショップで購入したんですが、店頭で見かけて驚いたのは、その生産国!
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