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FASHION 百“靴”争鳴

【レーデルオガワのコードバン】 工場の新設とオリジナルブランドは三郎の夢だった。Vol.3

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レーデルの歴史に深く関わる職人とともに

2021年、ぼくはオリジナルのレザーグッズブランド、ユニコーンをつくりました。

ユニコーンのつづりは“UNIQUEON”。ユニーク・ワンのお尻の“E”をとってユニコーンと読ませることにしました。

ユニーク・ワンをベースにしたのは文字どおり“ユニーク・ワン”なものづくりを目指しているブランドだから。カスタマーが前向きになれる“小さなきっかけ”になってくれれば、という願いもこめられています。

ユニコーンは いってみれば馬の親戚ですからね。コードバンのブランドにぴったりでしょ。箔押ししたユニコーンの足元に伸びているのはツル、アイビーです。タンニン鞣しとエイジングの象徴です。

いまはまだ明かせないんですが、製造はレーデルオガワにとって浅からぬ関係にある職人が手がけています。

コードバンのスペシャリストだけあって、その仕上がりは惚れ惚れするほど美しい。破綻のないステッチピッチもさることながら、見逃せないのが二つ折りなどにみられる折り曲げの部位です。

押していただくとわかるんですが、内装とのあいだにたっぷりと空間があります。この空間が遊びとなって、開閉の負担を軽減してくれるんです。

(左)シューホーン ブラック 9400円、(中上)バンドルウォレット ブラック 6万7000円、(中)ミドルウォレット アトモスフィア 3万9800円、(中下)BOXコインケース グリーン 2万3400円、(右上)バンドルウォレット メソスフィア 7万1000円、(右下)ラウンドファスナーウォレット キャメル 8万6400円

素材はすべてアニリン染めのコードバン。内装はタンニン鞣しの牛革。カラーバリエーションはモデルによって違いますが、5色前後。

ブルー×ワイン、ブラウン×ダークグレイといったグラデーションカラーもあります。グラデーションがきれいに入った財布をつくろうと思えば、コードバン一枚からひとつしか採れません。オリジナルだからできた贅沢の限りを尽くした一品です。残った部位は単色のパーツとして使っているのでご心配なく。

ラウンドファスナーウォレット
バンドルウォレット
ミドルウォレット

現在のラインナップはロングウォレットからコインケース、カードケース、そしてシューホーンまで。秋にはキーホルダーとカメラストラップを加える予定です。

オリジナルブランドは三郎の夢だった

工場を移転することとオリジナルブランドをつくること。これは三郎の悲願でした。上に立つためのあれやこれやに時間がかかってしまいましたが、ようやくかたちにすることができました。

家業に入ったぼくは自分の工場だけじゃなく、皮革業界を元気にしたいという思いで さまざま取り組んできました。ユニコーンは そんなぼくにとっても大切なブランドです。いずれは牛革も仕入れてコレクションの幅を広げていきたいと思っています。

やるべきことはまだまだあります。究極の目標は、世界でも評価されるフィニッシャーになること。すでに中国、韓国、クロアチア、アメリカには卸していますが、もっともっとがんばってレーデルオガワの名を世界に轟かせたい。視察に訪れたリネア・ペッレ(伊ミラノで開催される国際皮革見本市)でイタリアのバイヤーにいわれました。  おまえのところの革は高すぎるって。けして高くないということを知らしめたい。

経営者として腕をふるう楽しさもありますが、なんといってもコードバンが面白い。“革のダイヤモンド”という異名は伊達ではありません。

三郎が喜んでいるんじゃないかって? それはどうでしょう。自信がないのかって? ないといったら嘘になるかも(笑)。

最終回につづく

レーデルオガワ(れーでるおがわ)
1971年、小川三郎が東京都内の染色工場の一角を間借りし、小川染工所の名で独立。1974年、千葉県流山市でレーデルオガワを創業。1990年、アニリン染めコードバンが完成。2017年、千葉県柏市に工場を移設。2021年、レザーグッズブランド、ユニコーンをローンチ。


【問い合わせ】
レーデルオガワ
04-7137-9244
https://leder.co.jp

Photo:Simpei Suzuki
Text:Kei Takegawa
Edit:Ryutaro Yanaka



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