ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 百“靴”争鳴

すべていちから確立した、圧巻のコードバン染色技法。Vol.2

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

三郎の真骨頂、染色は非公開です

申し訳ありませんが、染色のプロセスは非公開とさせてください(撮影のみならず、入室も禁じられた)。

染色するということは濡らすということです。せっかくきれいに寝かせた繊維も濡らせば起きあがってしまいます。三郎が編み出した染色技法は、繊維を起こすことなく染めることができる。ヒントは水の大小。水滴が大きければ大きいほど、繊維は もとに戻ろうとします。つまり、いかに小さくするかがキモとなります。染色のフロアに入っていいのは工場長とぼくだけです。

染料は0.1グラム単位で調合しています。おかげでさまざまな色がつくれます。プロパーで15色。これまでにつくった色は100じゃきかないと思います。

芸術作品のような梱包

熱と圧でプレスするハイドリックを経て、仕上げへ。マシンがないため、このプロセスのみ専門の業者に頼んでいます。

戻ってきたコードバンにバフィングマシンでワックスを塗布します。ワックスもオリジナルのレシピ。ツヤ感があり、伸びがよく、定着性が高いということが特徴にあげられます。

薄用紙をあいだに挟む梱包も見どころです。薄用紙を挟むことで真空状態が生まれます。つまり、密着するんですね。縦横を揃えて重ねていきますから、開封したときに ずれていれば輸送状態が悪かったということ。万が一キズがついていれば、それは輸送業者の責任になります。

現担当者がこの梱包方法を考案した7年まえからクレームは一件もありません。はじめて取引する先は、その芸術的な梱包に感動するそうですが、ぼくも例に漏れませんでした。これだけは ぼくもできません。

現在の陣容は社長とぼくを含めて7人。15年選手のベテランから22歳まで。平均年齢は40代前半。若返りはうまくいっていると思います。

月産は2000〜2500枚。納期は5ヵ月といったところです。
 

Vol.3につづく

レーデルオガワ(れーでるおがわ)
1971年、小川三郎が東京都内の染色工場の一角を間借りし、小川染工所の名で独立。1974年、千葉県流山市でレーデルオガワを創業。1990年、アニリン染めコードバンが完成。2017年、千葉県柏市に工場を移設。2021年、レザーグッズブランド、ユニコーンをローンチ。


【問い合わせ】
レーデルオガワ
04-7137-9244
https://leder.co.jp

Photo:Simpei Suzuki
Text:Kei Takegawa
Edit:Ryutaro Yanaka



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5