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FASHION 百“靴”争鳴

すべていちから確立した、圧巻のコードバン染色技法。Vol.2

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三郎は指を2本飛ばした

次は削りのプロセス。セッティングマシンで床面からコードバンを削り出します。コードバンの厚みは1ミリ以下。一瞬でも手元が狂えば台無しです。

セッティングマシンは2台あって、まずはゴムのローラーがセットされたマシンで揉みほぐしてやります。力加減を覚えなければなりませんが、さほど難しいものではありません。ただし、危険なマシンです。三郎はこれで2本、指を失いました。

もう1台のマシンにはサンドペーパーがセットされています。ペーパーは3種あって、順々に目を細かくしていきます。力加減は足元のペダルで調整します。これが とてつもなく難しい。マシンの操作に慣れるだけでも ひと苦労ですが、コードバン層がまた厄介です。コードバン層って厚みが均一じゃないんです。上(背)にいくに従って薄くなっています。

まさにダイヤモンドを採掘する慎重さが求められます。“革のダイヤモンド”といわれるようになった所以です。

(職人になって)1年目は まともに扱えませんね。3年やって ものになれば御の字です。

現在の担当者はすでに15年選手。世界一コードバンを削る技に長けているといって過言ではありません。いや、世界広しといえど、そもそも手作業で削っている職人はいないでしょう。

よそでは このプロセスもすっかりオートメーション化されています。機械だと削らなくていいところまで削ってしまうし、ピンホール(毛穴)も広がってしまう。コードバン層を余すことなく生かそうと思えば熟練の職人仕事に頼らざるを得ません。



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