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FASHION 百“靴”争鳴

すべていちから確立した、圧巻のコードバン染色技法。Vol.2

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百靴争鳴。日夜美しい靴作りに情熱を燃やし合う、異色の靴職人たちへのインタビュー集。

脂入れを終えたコードバンは乾燥、削り、グレージング(艶出し)、染色、仕上げへとつづきます。

圧巻は、そのほとんどが手仕事であり、そしていちから確立されたノウハウだったということです――

こだわりの自然乾燥

脂入れを終えると、今度は乾燥です。一枚一枚、木の棒に打ちつけて吊るします。このプロセスにかける時間は天気がいいときで3日、長いときで1週間ですね。

ポイントは、自然乾燥。ヒーターなどで急速に乾燥させると繊維が傷んでしまうためです。ただし、梅雨時期や冬は除湿します。

4年まえに建てた工場の目玉が、屋上に設けたエアコン完備の乾燥室です。

むかしは季節によって仕上がりが異なっていました。職人の言い分は、革は自然のものだから仕方がない、というものでした。

梅雨時期は どうしたって乾燥が甘くなる。乾燥が甘ければグレージングも甘くなります。除湿することで、限りなく最善の状態に もっていけるんです。もちろん自然乾燥には及びません。締まり方が若干劣るので、この時期のグレージングには慎重になります。いつもよりもやさしく じっくりと寝かしていきます。

温湿度計と にらめっこしながら理想の状態に近づけていきますが、大きさも厚みも革それぞれですから、最後はやっぱり持ちあげたときの感覚を頼りにします。



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