人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
20数年に渡って、僕の足を支えてくれているスニーカー
生産の現場を見つめ続けるとともに、自身で幾度となくイタリアを訪れて飛び込みで開拓。たくさんの身銭を切ってサルトで仕立て、知見を広げてきたファッションディレクターの諸澤 泉さん。
知識と経験に基づき、たくさんの服を手に入れてきた諸澤さんが、中でも思い入れが強くて捨てられなかったアイテムをご紹介する企画の第２回目は、スラムジャム（SLAM JAM）が別注したナイキ（NIKE）の「エアフォース１（AIR FORCE 1）」です。
「これはイタリアに行き始めた頃、まだスラムジャムがカステロの方じゃなく、川の方にあった最初の店舗で買いました。
手入れが少し面倒なエナメルなんですが、グレーカラーで、かかとにロゴが刻印されている感じがカッコ良くて、ひと目惚れしてしまい即買いしたのを覚えています。
ナイキの「エアフォース１」は とくにローカットが大好き。もちろんミドルカットも好きなんですが、気に入ったモデルに出会えれば買ってきたし、かつてはNIKE iDで作ったりもしました。
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