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LIFESTYLE うつわのことを教えて、ひさこ先生!

ひさこ先生と陶芸家山田隆太郎さんに訊く! 陶芸家の未来とは?

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個展・展示会での悩み

ひさこ先生:各展示会には、毎回いくつくらい作って持ち込むんですか?

山田隆太郎:大体2~400個くらいです。ただ、情けないことに売れないので、戻ってきたものの梱包を解いて落ち込みながら、次の展示会には出せないしなぁって悩む日々です。展示会をやる意味も考えてしまう。注文で全然いいんだけどって思ったり。

いろいろなところで展示会が増えていますが、正直疑問でして。これは作家の消費というか、作家が摩耗してしまって、本当にクリエイティブなのかなって思うことはあります。

FORZA STYLE:展示会を実施するにあたっての発注のされ方って、どういった感じなんですか?

山田隆太郎:「展示会お願いします」の依頼以降、当日まで一切連絡ないなんてザラです。打ち合わせに来られる方もいますが、雑談して帰ったり。信頼して任せてくれてるのかもしれませんが、投げっ放しじゃんって思うこともあります。

FORZA STYLE:親身じゃないですね。その上、残して戻してくる感じでしょうか?

山田隆太郎:「これ作って」ってお願いされたのに、買ってくれなかったり…。これは100%ただの愚痴ですが。

FORZA STYLE:それって陶芸以外のシーンでも起こってる現象だと思いますが、作る側と売る側との関係性って重要ですよね。責任で考えるなら買い取りベースになるべきな気もするんですが…。

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ひさこ先生:ただ、そうなると売れる商品しか買い付けなくなるんです。作家さんらしさのある商品を置いてみようというチャレンジの機会は圧倒的に減ると思います。

FORZA STYLE:そっか。そうなると、金太郎飴のように似た作品ばかりが並ぶことになるわけですね。洋服はそれで面白くなくなりましたけど、似たような現象が起こりうるのか…。

これを打開するために陶芸家自身がお店を構えるっていうのは難しんでしょうか?

山田隆太郎:そういう時代もあったようです。バブルの頃は大型バスをチャーターして産地目掛けてやって来て、まとめて買って行ったそうです。

ひさこ先生:丹波篠山あたりではまだ残っていたり、相手が海外の方に変わっていますがそんなツアーも組まれているようで、コロナ前は数百万円くらい売っていたようです。

山田隆太郎:でも、僕みたいに資金力もなく、途中参入の新規参入者には、たどり着く余裕がないです。

FORZA STYLE:販売のための人員を用意できないし、人件費だって ばかにならない。

山田隆太郎:いまだとBASEみたいなオンラインで売る若い子も増えて、”自分で売る”という敷居は下がっているとは思いますが、陶芸以外の能力が必要になってきますよね。

FORZA STYLE:どちらかというと、陶芸の道一筋で、他のことできない人が多そうですもんね。これからは改革が必要ですね。

山田隆太郎:今回もそうですが、陶芸家が取り上げられる機会も増えて、アンダーグラウンドな職業ではなくなってきたとは思うので、おしゃれでセンスの良い若者が陶芸家になる機会も多くなるかもしれません。

FORZA STYLE:山田さんってお酒は飲まれますか? この辺の話は、お酒でも酌み交わしながら聞きたい感じなんですが…

山田隆太郎:飲めないです。めちゃめちゃ弱いんです。コロナ禍で飲みの席がなくなって助かってるくらいですね。

FORZA STYLE:やっぱり。お酒にまつわる酒器をあまり見かけなかったので。

山田隆太郎:こんな感じなので、酒器の依頼は多いんですが、飲めなくて使わないので分からないんです。もちろん注文があれば作ります、青木さんのを参考にして。

でもじつは青木さんも飲めなかったそうで、妄想で作ってるから説得力はないですよね。

FORZA STYLE:食卓では、自身のうつわって使ってますか?

山田隆太郎:自分以外のも使いますよ。ニトリで買ってきたカル:エクレを使ってみたりもしますし

陶芸家をしていて最大の喜びは

FORZA STYLE:陶芸家をしていての最大の喜びって何でしょうか?

山田隆太郎:入金されたときかな。

FORZA STYLE:お金っ! 売れて入金されたことで、世に認められたことを実感するとか?

山田隆太郎:いろいろあるとは思うんですけど。最近はインスタグラムで僕の名前をハッシュタグをつけて投稿頂いて、使っている様子を拝見できるのは嬉しいです。ただ嬉しいと同時に、これで良かったのかなという怖さもあるし、だんだん使われてなくなって棚の肥やしになってないかなとか。

FORZA STYLE:見えてしまうが故に、先を読んでしまう不安もあるわけですね。

山田隆太郎:商品としてお金が発生した以上、責任も発生するので、ピュアに喜べるという感じではなくて、迷惑かけてないかなと心配もするという複雑な気持ち。嬉しいけど、心配みたいな。

FORZA STYLE:それも寄り添ってるんですね。



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