■頻繁なマイチェンで起死回生を狙うが……
期待されたエリシオンでしたが、販売は思わしくなく、デビュー翌年の2005年9月には、早くも最初のマイナーチェンジを実施。新デザインのフロントグリルとエアロパーツを装着したモデルが登場します。
その後、2006年12月のマイナーチェンジではエクステリアをよりスポーティに変更するとともに、最上級モデル「プレステージ」を発売。厚みのあるヘッドライトと大型グリルで迫力のある外観で登場したプレステージには、300PSの出力を発生する3.5L V6 VTECエンジンが搭載されていました。
その後、数度にわたってブラッシュアップがされたものの、2013年、5代目オデッセイにバトンタッチする形で、日本国内での生産、販売を終了しました。
ホンダらしい、走りを意識したスポーティなフォルムとゆとりの室内空間が特徴のエリシオンでしたが、フラッグシップミニバンとしての重厚感や存在感という面では、ライバルに及ばないところがあったのも事実。ラージサイズミニバンで成功したアルファードは背が高いためにドライバーの視点も高く、高級感に見合った「優越感」が感じられます。このクラスのユーザーが重要視するのはそういった部分であり、低床、低重心に拘りすぎたエリシオンは、分が悪かったと言わざるを得ません。
ちなみに中国市場では5代目オデッセイのパッケージを利用したスポーティな高級ミニバンとして、「エリシオン」の名は残されています。中国でもアルファードの人気は絶大ではありますが、エリシオンも一矢報いようと頑張っています。今後の活躍を期待しています。
Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:HONDA
Edit:Ogiyama Takashi
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