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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【リモートワーク不倫】強制出社、その言葉に隠されたとある「秘め事」とは…

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

「奈月、明日は会える?」

奈月はニヤリと微笑みながら、スマホに返事を打ち込んだ。

「もちろんです。『強制出社』の日ですから」

※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「全員揃ったでしょうか?」
「あ、こちら聞いておりますがマイクオフで対応します!」
「こちらはOKです〜」
「はーい、では月例会議を始めます。よろしくお願いしまーす」

©Getty Images

リビングの一室に、ざわざわと数名の声が響き渡る。下田奈月(仮名)は慣れた手つきでパソコンを使いながら、今日も日々の日課である会社のテレビ電話会議に参加していた。

今日は書斎で夫がテレワーク、自分はリビングでテレワークの日。

コロナ禍となってからのリモートワークには、夫婦ともに随分と慣れたものだ。書斎とリビングを毎日夫婦で交代しながら、好きなペースで仕事をこなし、お昼ご飯だけはリビングに集まって自炊やアプリで取った出前を食べる。

子供がいない夫婦というのは、どうしてこうも気楽なのだろう。今年で結婚5年目、お互い34歳になったというのに、誰にも子供を急かされることなく気楽に生きていられるのはここが都会、東京だからなのだろうか。

奈月はてきぱきと自分の仕事をこなしながら、ふと窓の外を見上げた。

とてもいい天気だけど、今日も家から出られないなんて勿体ない。ここまでテレワークが馴染んでしまうと、ときどきは通勤したくなるものだ。でも今は仕方がない。さあ集中、集中……。

「では会議を終わりまーす、皆さまお疲れ様でした」
「「「お疲れ様でーす」」」

時計を見ると、気がつけば定時の18時になっている。今日の仕事も終わりか、晩ご飯どうしよっかな。そう思いながら、書斎の夫を少し覗きに行くと、夫はまだまだ会議中だった。こちらを振り返りながらも、声を出せない夫からLINEが届く。

『会議、19時まではかかることが確定しちゃった。先にご飯食べてて、ごめん!』

仕方がない、奈月は書斎のドアを閉めてリビングへと戻った。

するとそこで、またもやLINEの通知音が鳴る。差出人は、先ほどまで会議で一緒だったはずの奈月の上司、山崎(仮名)だった。

©Getty Images

『下田さん、お疲れ様です。定時過ぎに申し訳ないんだけど、ちょっと会議で話しそびれたことがあるので、通話できますか?』

奈月はすぐに返信をする。

『もちろんです、いつでもかけてきてください』

すぐさま、ビデオ通話を着信する。先ほどまで共に会議に参加していたとはいえ、山崎とマンツーマンで話すのは久々だ。

「あー、ごめんね追加でかけちゃって。もう夕食どきだろうに」

久々に見る山崎の顔は、相変わらず爽やかに微笑んでいた。入社当時は、こんなスポーツ青年みたいな人が上司になるのか、体育会系だったら嫌だなと思ったことを奈月は思い出していた。

いつも「大丈夫、できるよ」と励ましてくれるから、いい人なんだなあと思ったっけ。それももう12年も前の話、はあ、歳を取ったな。

「いえいえ、子供がいないので気楽なもんですよ。このあと出前でも取ろうかと思ってました」

「はは、僕もだよ。そうだったね、お互い子供がいないもんね、なのにこんなに気楽にテレワークをずっと続けているとさ、段々と会社に申し訳なくなるよねぇ」

「本当ですよ、出前続きで食費はかさむし、運動不足だし。久々に人に会いたいなとも思うんですけど、このご時世だから言い出す側のほうが何かあったときに悪者になりそうで。特に子持ちの人には会いづらいですよね」

「ほんとに、ほんとに。さて下田さん、本題なんだけど。下半期の部署での目標設定の数値についてなんだけどさ……」

雑談を遮るようにして、山崎が仕事の話を切り出す。奈月は「あ、話しすぎたかな」と思いながらも、すぐさま仕事モードに切り替えて話をした。

「……とまあ、これで話は以上かな。下田さん、会議後にまでありがとうね」

「いえいえ、とんでもないです。いつでも話しかけてください」

「……んーじゃあ、ちょっとさっきの話の続きなんだけど」

山崎が画面越しに、急に真剣な顔になりながらこちらを見つめてきた。

「今、そこ旦那さんいる?」

後編に続く

Text:女の事件簿調査チーム



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