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FASHION 僕が捨てなかった服

春になると着たくなる、セントジェームスのバスクシャツ。苦い思い出も今では笑い話に

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

着ては洗ってを繰り返し、ネイビーが色褪せてグレイッシュになるのもシブくていい

クラシックスタイルだけにとどまらず、カジュアル、ヴィンテージなどへの造詣も深く、それらを自在にミックスしたスタイリングで世界中から高い評判を得ているメンズファッションディレクターの西口修平さん。

幅広い知識と経験に基づき、さまざまなジャンルを幅広く網羅してきた西口さんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第5回目は、セントジェームスSAINT JAMES)のバスクシャツ「ウェッソン(OUESSANT)」です。

「1889年フランス・ノルマンディ地方にあるセントジェームス村にて創業したセントジェームス。私が初めて購入したのは、確か予備校時代の頃でした。

今では考えられませんが、当時は試着もさせて貰えない時代でしたので、縦縮みの説明だけを聞いて購入。聞いていた話と違って、予想以上に横にも縮んでしまい、ピチピチになった苦い思い出が…。

その後サイズを上げて買い直したのが、こちらです。

左袖のタグが「St James」表記でなく「SAINT JAMES」で、ブランドタグのモンサンミッシェル城が中央配置で「MADE IN FRANCE」表記なので、90年代初頭頃に生産されたものだと思います。

春になると引っ張り出して着ていたバスクシャツですが、気分なのでしょうか、着る年と着ない年とがありました。

着ては洗ってを繰り返して、ボーダーのネイビーが色褪せてグレイッシュになってくるのも個人的にはシブくていいなと思っていますが、いまはまったく着ておらず。でも、何となく捨てられずに持っています。

その色褪せた感じが程よく見えるのは、私自身が40半ばを迎えたからなのか…とも思えてきます」

西口修平
メンズファッションディレクター

クラシックスタイルへの造詣が深いだけでなく、カジュアル、ヴィンテージなど守備範囲も広く、それらを自在にミックスしたスタイリングで世界的に高い評判を得ている洒落者。Instagramのフォロワー数は14万人に届く勢いで、上梓した著書『Nishiguchi's Closet』(学研プラス)、『Nishiguchi Essentials 100』(ワン・パブリッシング刊)も大人気。1977年生まれ。大阪府出身。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka



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