ライフスタイルは十人十色。おひとりさまもおふたりさまも大いに結構ですが、結婚というゴールをめがけて不幸なひしめき合いをしている男女のなんと多いことか。
今回、道場の門を叩いたのは、「元傭兵」という異色のプロフィールを持つ男性、光さん（35）。現在休職中で、これまでの恋愛経験は3人という塩顔イケメンである。
スーツから盛り上がる筋肉、鋭い眼光がただものではない。聞けば、厳しい訓練を経て戦地に赴き、命がけの任務を銃弾の雨の中を遂行した経験があるという。そんな男が帰国後に初めて挑んだのは婚活というミッション。10年にわたる海外生活を経た後、日本の婚活に挑戦しているが、芳しい戦果はあげられていないという。
光さんが婚活に利用しているのは大手婚活アプリだが、聞けばこの男、自分の顔写真を公開していないという、初歩的なミスを犯していた。理由は「恥ずかしいから」「人にバレたら嫌だから」。その点を厳しく糺された上で、インタビューは始まった。
【川崎貴子】
働く女性の為のマッチングサイト「キャリ婚」運営。日本最大の婚活勉強会「魔女のサバト」主宰。婚活のプロ、黒魔女の異名を持つ二女の母。乳がんの闘病経験も持つ。経営者、結婚コンサルタント、コラムニストとして多ジャンルで活躍中。
川崎：おいコラ、もう「僕なんか」はやめようよ。あなたは思うよりずっと、キャリア女性が求める条件がそろっているよ。まず、あなたは仕事に全力投球しているでしょ。それに、一本気だから浮気はしない。多少不器用かもしれないけれど、嘘をつかない。そして、キャリア女性に対する敬意が深い。
光：僕、ハイキャリアの女性には敬意しかありませんし、そういう人しか興味がないんです。幼い頃から「この女性が好きだ」と思ったのは、偉人ばかりなんです。
川崎：例えばキュリー夫人とか？
光：初恋の相手は、マーガレットです。
川崎：お菓子じゃないよね？
光：何をおっしゃるんですか。マーガレット・サッチャー（元英首相）ですよ。あとは、クララ・バートン（赤十字創立者）もいいですね。日本人なら巴御前（平安末期の武将・女性）、津田梅子（教育者）、市川房枝（政治家）、北条政子（源頼朝の妻・尼将軍）など枚挙に暇がありません。
これは誠に畏れ多い話なのですが、“まさこ”といえば、皇后陛下雅子さまも心の底から敬愛しています。あとは、マザー・テレサ、ナイチンゲールなども好きです。生きている人なら、ドイツ首相のアンゲラ・メルケルさんかな。イノベーションを行い、“社会を仕組みや価値観を変えた”女性が大好きなんです。
川崎：なるほどね。だから、作家・紫式部とか日本画家・上村松園、科学者・キュリー夫人など“個人が持てる力を命がけで突き詰めた人”は入らないんだ。
光：はい。もちろん心から尊敬をしています。しかし、集団を変えた女性に心惹かれます。それは私が軍人だからでしょうね。強いリーダー、司令官に心の底から敬服するのです。
ですから、私が婚活で出会いたいのは、司令官のような女性です。妻の指示に従い、頭のスイッチを切って前進したい。だから、動画コンテンツを見てボーッとしている女性はダメです。勤勉といっても、１円安いものを買うために、隣町のスーパーに行くとか、激安食材で変な料理を作る人とは絶対に結婚したくないんです。
