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LIFESTYLE うつわのことを教えて、ひさこ先生!

【服を買うように、うつわを買う】ひさこ先生、カッコいいうつわを教えてください!

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昔らしい良さを残しながらモダナイスしたうつわ

ひさこ先生:現時点で、焼き上がりの成功率って何割くらいですか?

小林:使い込むうちに窯のクセを理解できてきたので、ここ最近は安定していて、あまりロスは出なくなりました。ただ最初は割れてしまったり、ぼくは還元っていう炊き方なんですが、逆に酸化寄りになって色で納得できなかったりはしました。

FORZA:懐かしい! 酸化と還元、化学の話ですね。ちなみに、どういった違いなんですか?

ひさこ先生:還元焼成は、酸素が足りない状態の不完全燃焼での焼き方です。一方、酸化焼成は、燃料が完全燃焼できるだけの酸素がある状態での焼き方なので、酸素と釉薬の中にある金属成分が結び付きやすくなり、結果的として焼き物の色が大きく変わります。

FORZA:なるほど色が変わってしまう。大きな違いですね。ちなみに、他の作家とは違う、小林さんらしさって何でしょうか?

小林:シャープなものが好きなので、土を使った陶器なんですが薄くて、高台がキュッと締まってるようなうつわを意識して作っています。

元々、骨董とかクラシックなものが好きではありますが、現代の食卓に合う形作りを心がけています。

FORZA:昔らしい良さを残しながらモダナイスしているわけですね。デザインソースというか、陶芸を始めるにあたって参考にしたデザインなんかはあったりしますか?

小林:ルーシー・リーとかハンス・コパーとかは好きだったんで、影響はあると思います。

ひさこ先生:土選びは、どうなさっていますか?

小林:笠間で作っているので、笠間の土をメインに使っています。ちょっと混ぜてはいますが。笠間の土は使いにくいなんて言われたりしますが、最初から笠間のものを使っているので、これが当たり前というか…。

ただ、半磁土を使ったり、益子の土を使ったりすると勝手が違うので、もう一度同じものを作りたくてもうまくいかなかったりはします。

後編へつづく。

 

小林耶摩人
1983年茨城県笠間市生まれ。法政大学卒業後、5年間の会社勤めを経て陶芸家へ転身。茨城県工業技術センター窯業指導所成形科を修了し、額賀章夫氏に師事。2016年に独立し笠間市にて作陶する。渋さの中に、整然とした美しさと柔らかい雰囲気を併せ持ち、人気を博す。
https://yamatokobayashi.theblog.me
https://www.instagram.com/yamato_kobayashi

 

行方ひさこ
ブランディングディレクター

アパレル会社経営、デザイナーなどの経験を活かし、ストーリーやデザインなどの一貫したコンセプトワークを行うことでトータルでブランドの向かうべき方向を示す。食や工芸、地域創生などローカルに通じる幅広い分野で活動中。
https://hisakonamekata.com
https://www.instagram.com/hisakonamekata

Photo:Shimpei Suzuki
Direction:Hisako Namekata
Edit:Ryutaro Yanaka



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