ファッション好きにとって、メンズショップの店主やスタッフと話をするのは何よりも楽しい。
マニアックで博識でクセがすごい店の“トリセツ”を紐解いていく連載、今回は、まさに連載のコンセプトにぴったりの横浜市青葉区美しが丘にある「CLOTH&CLOTHING(クロース&クロージング)」。コンパクトな空間に約10ブランドほどが上手にまとめていて、京都発の「MITTAN(ミッタン)」のシャツを着ている店主、36歳の瀬古洋平さんに話を伺いました。
【CLOTH&CLOTHINGのトリセツ①】2019年の「良い服の日」にオープン

地域のコミュニティがあるところで、「街の中の一人」が面白そうだった
――「クロース&クロージング」はいつのオープンですか。
2019年11月29日ですね。「良い服の日」です。一年ほどの準備期間を経てオープンしましたが、2ヵ月しないうちにコロナになってしまって、まだお客さんの顔も分かっていなくて大変でしたが、ブランドの協力もあってなんとか乗り切れました。

シャツ「MITTAN(ミッタン)」(ベンガラ山吹)2万6400円
――なぜたまプラーザで自分の店を持とうと思ったんですか。
10年ほど前に、たまプラーザに住んでいて、近所に「annabelle(アナベル)」というレディースのセレクトショップができて、一回りぐらい上のオーナーと知り合いました。翌年にこのビルの1階にあるメガネ屋「LOCAL(ローカル)」がオープンして、街で人気のレコード酒場などに通ううちに、気の合う友人が増えていきました。
そのときは会社勤めでしたが、「コミュニティのような地域の、街の中の一人」ってスタンスは面白そうだなと感じて、自分ができることはメンズショップかなと思いました。

ブルゾン「Mando(マンド)」7万1500円
――なぜこの雑居ビルの2階に決めたのですか。
この2階はずっと空いていて、並びの店が居酒屋やスナックなので、常識的には物販のお店は入らないんですが、1階にあるローカルさんに応援していただいてオープンしました。ニューヨークとかにあるバーバーや洋服屋、メガネ屋などが“縦位置”で入っている建物が面白いなと思って、ローカルさんは地域で有名なメガネ屋だし、メガネ好きな人が2階に上がってきてくれて、オープン当初はだいぶ助かりましたね。