■もう1台のマーク2はパワステ＆エアコン付き
そして、もう1台は、1965年式のモデル。こちらは90年代に「ヴィカラージュ」という英国のコーチビルダーによってリメイクが施された個体だ。単なるフルリストアとは異なり、コンディションの良いドナーボディから一台づつ現代の路上で使用できるスペックに丁寧にアップグレードしながら、カスタムメイドで仕上げられた特別なMK2。
MK2のウイークポイントだった重いハンドルはパワステに変更。完全にリフレッシュされた水回りでオーバーヒート対策済みで、エアコンもよく効くという。ATはオリジナルの3速ATからXJ6の4速ATギヤボックスに変更。リヤサスペンションも古い1/4リーフスプリングから、マルチリンクにコイルスプリング&テレスコピックショックアブソーバーにコンバート。
これらによって走行性能が格段に現代的なものに変貌を遂げている。当時の販売価格は1500万円。全てが新車の扱いで全てマイレッジをゼロスタートで販売されたともいう。現在の販売価格は800万～900万円だが、英国では1200万円ほどで流通しているともいう。
最後に2.4のMT車に同乗させてもらった。軽快にふけ上がる直6エンジンを手漕ぎで操る感覚。乗る前は大きく、威厳のみを感じさせていたサルーンが小さく、軽く感じられる。それもそのはず、車重は約1.5t、全長は4.59ｍ、全幅も1.7ｍと現代のメルセデスCクラスよりも軽く、小さい。
価格は580万円（税抜）。価値観は人それぞれだから高いと見るか、安いと見るかはさまざまだろう。しかし、高騰続くビンテージカーの中で、なんとも爽やかに感じてしまった。600万円出して、MK2を買うか、AE86を買うか、新車のミニバンを買うか。あなたならどうする？
そんなMK2の動画もありますので、ぜひご笑覧ください！
parc ferme TOKYO
東京都世田谷区上用賀5-25-4
03-6432-7662
http://parc-ferme.jp/
Video：Yoshihide Shojima
Video edit：Airi
Text：Takashi Ogiyama
