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FASHION 百“靴”争鳴

【世界一の靴磨き職人】長谷川裕也が惚れ抜いた、千利休とパンク 最終回

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ワールド・チャンピオンシップ・イン・シューシャイニングに挑戦するタイミングで はじめたのが茶道でした。茶道と出会って、大会では所作も少しばかり いじりました。ただね、茶道の場合は指を揃えるんですが、そうすると動きが小さくて せせこましい。ぼくは大きく広げて優雅な雰囲気を心がけました。

さらにもう一段上に、ということは ずっといっていたけれど、具体的にどうするんだといわれたらアイデアがなかった。ばらばらだったピースを茶道がぴたりと はめてくれたんです。

スーツや革靴、そしてそれらにまつわるもろもろは残念ながらシュリンクする市場です。すっかりシュリンクした暁には趣味性の高いものになっているでしょう。スーツはおそらく いまの着物のようなものになるんじゃないか。つまりは特別なものになるんです。そうなってくれば、“道”のようなものが必要になってくる。

靴磨きは靴をきれいにするだけじゃない。無心になれて、次の日の活力になります。すでに“道”としてのポテンシャルはある。にじり口のような意味のあるスタイルが構築できれば、未来はきっと拓ける。

並大抵のことではないのは重々承知しています。ぼくが生きているうちには どうにもならないかも知れません。でもいいんです。茶道でさえ市民権を得るのは江戸中期になってからなんですから。千利休は安土桃山時代のひと。つまりゆうに200年は かかっている計算です。

“道”ではありませんが、いまや世界に冠たる鮨や天ぷらも庶民の立ち食いからはじまっています。靴磨きだってやれないことはない。

ぼくは靴磨道の家元になって、日本だけじゃなく、海外にもその魅力を広めていきたいと思っています。



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