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日本導入は困難だけど!最小トヨタ「アイゴクロス」は素直に面白い

安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

「アイゴクロス」というクルマをご存じでしょうか。2021年11月に、ヨーロッパで発表された、トヨタの新しいクロスオーバーSUVで、ヨーロッパのAセグメントに属する、コンパクトなモデルです。「アイゴ」という日本未導入のコンパクトカーをベースとするアイゴクロス。日本への導入の可能性に触れつつ、その魅力をご紹介します。

 

■欧州でヒットしたアイゴがクロスオーバーSUVに!!

日本同様、ヨーロッパでも、コンパクトカーは非常に人気の高いカテゴリーです。そのカテゴリーも細分化されており、スマートやフィアット500、ルポのような2人乗り+α程度の小さいモデルが「Aセグメント」、それよりもう少し大きい、ポロやルーテシアなど実用的なコンパクトモデルが「Bセグメント」、ゴルフやメルセデスA・Bクラスなど大きめのコンパクトクラスが「Cセグメント」となります。

日本で人気のヤリスやフィットは「Bセグメント」に属し、それより小さい軽自動車が「Aセグメント」に相当すると考えてもいいでしょう。道幅や駐車スペースの狭いヨーロッパの都市部では、Aセグメントのようないわゆるシティコミューターがとても人気です。

アイゴクロスのリアスタイル。小ぶりなサイズながらも存在感は抜群だ

アイゴは2005年に初代が発表され、手ごろな価格とキビキビとした走りで人気を得ました。2014年には2代目にモデルチェンジし、フロントの「X」型のパネルや、リアのディフューザーなどに着せかえパーツが用意され、カジュアルで遊び心あふれるデザインが話題となりました。

今回発表されたアイゴクロスは、TNGAの「GA-Bプラットフォーム」を採用した、実質的な3代目モデル。初代、2代目のハッチバックスタイルではなく、クロスオーバーSUVとして登場しました。経済性や価格などが重視されるAセグメントにおいて、SUVスタイルを取り入れることで新たな個性を主張し、カテゴリーの中での存在感を高めることが可能。アイゴクロスからは、セグメントにおける新しい価値観の誕生を感じます。

 

■大胆なツートーンカラーとユニークなカラーコンセプト

アイゴクロスのボディサイズは全長3700mm×全幅1740mm×全高1510mm、ホイールベースは2430mm。2代目アイゴより大きくなりましたが、それでもヤリスクロスよりは小さいサイズです。最小回転半径は4.7m。軽クロスオーバーSUVのハスラーが4.6mですから、それに肉薄する数値となっています。

フロントのデザインは2代目の「X」のようにインパクトのあるモチーフはないものの、SUVらしいアンダーガード風の意匠やスタイリッシュなヘッドライトがスポーティで力強い印象。

スパイスの名前が付けられたユニークなカラーコンセプトが面白い

特徴的なのはルーフからCピラー、サイドシルにかけての大胆なツートーンカラーと、「カルダモン」、「チリ」、「ジンジャー」、「ジュニパー」というネーミングのカラーコンセプト。料理好きの方ならすぐに分かると思いますが、スパイスの名前をテーマにしたユニークなボディカラーやアクセントを楽しむことができます。

またオプションではありますが、Aセグメントクロスオーバーとしては初めてキャンバストップが設定され、開放的なドライブをおしゃれに楽しむことができます。

 

■十分なパワートレインと最新マルチメディアシステム、安全機能も充実

アイゴクロスに搭載されるエンジンは1.0L直3ガソリンエンジンで、最高出力は53kW(72ps)/6,000rpm、最大トルクは93Nm/4,400rpm。トランスミッションはS-CVTと5速MTが用意されています。決してパワフルではないものの、シティユースであれば十分な動力性能、といったところでしょうか。

アイゴクロスのコックピット。最新モデルらしくマルチメディアシステムも充実している

また最新モデルにふさわしく、9インチのタッチスクリーンディスプレイを備え、スマートフォンとも連携できるマルチメディアシステム、クラウドベースのナビシステムも用意されています。専用アプリを使って、燃費やドライブデータ、燃料の残量や車両のトラッキングなど、クルマの様々な情報を手元で確認することも可能です。

そしてトヨタの最新安全運転支援システム「トヨタ・セーフティ・センス」も全車標準装備とし、安全性能も充実させています。

JBLと共同開発したプレミアムオーディオシステムも用意されています。こちらは300Wのアンプとラゲッジルームに設置された200mmのサブウーファーを組み合わせたスピーカーシステムにより、パワフルでダイナミックなオーディオを楽しめます。

 

■日本導入の可能性は低いが、バッテリーEVとしてなら面白いかも!?

アイゴクロスは、スポーティで遊び心あふれるデザインや、Aセグメントとしては一クラス上に感じられる充実した装備が魅力。こんなカッコいいモデルが日本に来たら売れそうな気もしますが…。そうと簡単に言えない事情もあります。日本には軽自動車という独特の規格があり、日本で一番売れているカテゴリーでもあるからです。

日本にも「リッターカー」と呼ばれるサイズのクルマがあり、こちらはSUVで言うと、ライズやクロスビーが該当します。ライズはその中でも売れている方ではありますが、軽自動車ほど爆発的に売れるカテゴリーではありません。都市部を中心とした使い方であれば、日本では、経済性の観点から軽自動車を買う方が有利と考える人が多く、プラスワンの性能や装備を求めるのであれば、ヤリスクロスやヴェゼルのほうが満足度は高いでしょう。

もしアイゴクロスが日本に導入されたとしても3ナンバーモデルになりますし、同じリッターカーで言えばターボであるライズ(4WDのみ)のほうが運動性能も高いですから、現状では日本にそのまま導入される可能性は低いと思われます。ただし、バッテリーEVなど違ったアプローチで登場したとしたら、とても面白いパッケージングとして受け入れられるかもしれませんね。

 

Text:Tachibana Kazunori
Photo:TOYOTA
Edit:Takashi Ogiyama



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