存在感あるアートウォッチが、こなれ感演出によく効くんです
第420回目は、フランク ミュラーのヴァンガードです。
余裕を感じさせる大人は、人目を惹きつけるもの。話し方や仕草にも現れるものですが、より顕著なのはやはりファッション。さり気なく遊び心を演出するのが好例で、時計が頼りになります。狙い目は余裕だけでなく男の格をも示す、個性派の高級時計。その筆頭株が「フランク ミュラー」です。
独立時計師のフランク ミュラー氏が、自身の名を冠したブランドを立ち上げたのが1992年のこと。老舗ブランドが多く並ぶ時計業界において、瞬く間に頭角を表したまさに新進気鋭の高級時計ブランドであります。つまり、デザインも技術もそれだけ高い評価を得ているということ。ファッション好きだけでなく若い世代の実業家やビジネスマンから人気を博しているのも、若くして地位を確立した実績があってこそ。そんな同ブランドが2014年にリリースし、定番モデルとして仲間入りしたのが「ヴァンガード」です。
ブランドの代名詞たるトノウケースを採用した、ユニークなルックスのこちら。1920年代のアールデコ様式にインスパイアされたもので、どの角度から見ても美しいカーブを堪能できるよう緻密に計算されたデザインが最大の魅力です。12.8mmの厚さも相まって、身につけた際の存在感は圧倒的。とは言え、スタイルに馴染みやすいブラックをベースとしているから使い勝手も文句なしです。スーツの下からチラリと覗かせれば、二度見いや三度見はわけないでしょう。
フランク ミュラーのニュースタンダードとなったヴァンガードは、多くの個性的なコレクションをリリースしているのも嬉しいポイント。男の格に差がつきセンスの問われるアイテムだけに、こうした個性派の一本はデキる男ほど必携です。
立体的な文字盤は、トノウケースのカーブに合わせた設計を施すことで、力強いインパクトと高い視認性を実現。その一方で、ケースの湾曲に対し角張ったアラビア数字のフォントがメリハリを与えています。
ラグをなくし、ベルトとケースを一体にしている点もポイント。つまり、腕につけた際に優雅なアーチを堪能できるということ。ルックスへのこだわりを追求しながらも、クロコダイルのストラップの裏地をラバーにすることで着け心地の良さやフィット感を向上する、気の利いたディテールも見どころに。
一度ゼンマイを巻き上げれば約7日間駆動し続ける「7デイズ パワーリザーブ」を搭載した、「ヴァンガード 7デイズ パワーリザーブ スケルトン」。しかもその繊細で複雑な構造をスケルトン仕様にすることで、アートに昇華。時計好きならずとも見惚れてしまうのは言わずもがな。王道の黒×金配色がラグジュアリーを演出しますから、魅せる時計の最高峰と言えます。
まずその強い存在感で目を惹き、そして不規則に並べられた文字盤で虜にする。デザインだけで食いつくこと間違いありませんが、それだけではありません。1時から2時、2時から3時といったように、1時間経つごとにこの文字盤に合わせ時針がジャンプするのです! 卓越した技術力と他では味わえないセンスを感じさせる、フランク ミュラーの魅力が最大限に詰まった逸品。
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
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フランク ミュラー ウォッチランド東京 03-3549-1949