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FASHION こじラグ

エルメスのヴェスパは、鍵を入れるバッグアクセや小物入れにも使える最強ポーチだ!

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自分が本当にイイと思う、一流品を買い集めていたら、無類の服好きが集まっているはずの編集部内でも「買い方がおかしい」「こじらせてる」と。自分じゃ、至極普通だと思っていたのに…。ホントにこじらせているのか確認すべく、自分が買ってきた愛しい服達を紹介していく企画「こじラグ(※こじらせラグジュアリー)」を始動させます。これがお買い物の参考になるかはわかりませんが…、世の買い物ジャンキーたちを安堵させられたら本望なのです(笑)。

これさえあれば、バッグ内で鍵をまさぐる行為ともオサラバ!

さて、246回目もエルメス。前回に引き続いてのポーチで、「ヴェスパ(Vespa)」です。

エルメスの「ヴェスパ」といえば、開口部分をシェーヌ ダンクル(Chaine d'Ancre)モチーフの金具で留めて閉じるタイプのショルダーバッグ。

名前を聞くと、あのバイクを思い出すので、もしかしたらバイクに乗るとき用のバッグとして開発されたのかもしれません。

この「ヴェスパ」もGM、PM、TPMと大小3種類のサイズがありまして、それらのバッグのフォルムを踏襲し、ポーチに派生させたのが「ヴェスパ ポーチ」です。

バッグとは異なり、開口部は蛇腹になっており、2本のストリングを絞って閉じるタイプの巾着のようなデザイン。

もちろん、シェーヌ ダンクルの意匠も忘れておらず、2本のストリングスを留める金具に採用されています。

サイズは W70mm×H90mm×D50mmと、かなり小ぶりで大したものは入りません。

以前、大好きなトートバッグに荷物はなるべくおおらかにポンポン詰め込むのが好きな旨を記載しましたが、その結果バッグ内で家の鍵が行方不明になること数多…。

よく玄関の前でバッグ内をゴソゴソしたり、最悪なときは荷物をほぼ全部引っ張り出して探すなんてことも……。暗がりで知らない人が見ていたら、かなり怪しいですよね。

カジュアルでベルトループ付きのパンツを穿いてるときなら、ループに引っ掛けたり、ベルトに通すタイプのキーリングも使えますが、スーツの際は難しいし、コロナになってからはドローコードのパンツばかり穿くようになって、それも使えない。

そんなときに活躍してくれるのが、この「ヴェスパポーチ」。鍵を納めて、バッグのハンドルにぶら下げて使えば、鍵を探す手間も不要ですし、シンプルなトートバッグの程良いアクセントにもなってくれます。

まぁ、これに関しても「そのポーチって何入ってるんですか?」なんて聞かれることが多く、「仙豆」とかって答えると「は??」となって、話が盛り上がったり(笑)。

残念ながら「ヴェスパ」のシリーズは既に廃盤で、これは海外のアンティーク屋に入って目に入った瞬間、この革質にひと目惚れして、即決清水ダイブしたもの。上記みたいなやりとりが幾度もあったので、元は取れてるとは思いますが。

刻印見ると、◯の中にLの文字があるので、1982年製。この年代なので、きっと世界最高峰のタンナーとして名高いフランスの老舗、デュ・プイ社のボックスカーフを使っています。

ボックスカーフは、生後3〜6ヵ月以内の雄仔牛の革なので、柔らかくキメも細かくて上質。クロム鞣しされているのですが、デュ・プイ社は液に浸す時間を通常より短くすることで、革本来の表情と硬さを残し、仕上げに独自のシュリンク(収縮)加工を施すことで、細かくて繊細な「水シボ」と呼ばれる、水が流れるような一方向に走る美しいシワを表面につけています。

縦・横2方向に揉む「角シボ革」や、さらにさらに斜めなど様々な方向から揉む「丸シボ(八方揉み革)」はイマイチ好きになれないんですが、美しく一方向に走る「水シボ」は大好物!

ガラス加工も施されているため均一な光沢感もあって、ずっと眺めていられます(笑)。

元々、エルメスにおいても他の革より高額だったんですが、最近は原皮の不足によりクオリティ コントロールが難しくなり、さらに高騰。極端に生産量も減って希少になっており、近い将来買えなくなるなんて可能も…。

ただ、ボックスカーフってキメが細かい上質で洗練された素材で小傷がつきやすく目立ちやすいものの、大きな傷は付きにくい加工が施され、リペアをして磨きをかけると簡単に美しさを蘇らせることができるおかげで、セカンドハンドマーケットでも結構見つけることができます。

丹念に探せば、状態の良い個体に出逢える可能性も大です。

もしポーチとして使わなかったとしても、蛇腹を限界まで広げてみると150mmくらい開きますし、自立もするので、アクセサリーなどを仕舞っておく小物入れとしても使えると思います!

気になった方は探してみてはいかがでしょう。

Photo:Shimpei Suzuki(ITEM)
Text:Ryutaro Yanaka



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